第14話


 思わず怖くなり目をギュッとつむる。でも待って、どこも痛くない … 。なんで?私、躓いたはずだよね …?不思議に思い、両目をゆっくり開けると視界に入って来たのは床らしきもの。それと同時に自分のお腹ら辺を何かに支えられている、そんな感覚をじかに感じる。



「…… ??!!」



 支えてくれているのが女子ではない事だけはハッキリと分かり、思わず赤面してしまう。



 何か言うか、せめて自力で傾きかけている自分の身体を元に戻そうとしていた所に __ 、



「おーい、もう片方の手、貸そうか?」



 恥ずかしさでどうにもならない私に、そう声を掛けてくれたのは私の身体を支えてくれている男の子だ。どうやらその彼は私の身体を右腕のみで支えているらしい。



「…っ!す、すみません!自分で戻れます!」



 恥ずかしいながらもどうにか言葉を発し、自力で傾きかけている身体を戻す。なんとか真っ直ぐに戻れた所でお礼を言おうと体制を彼の方へ向けた時、時が止まった気がした。




 そう、私を助けてくれたのは __ 、

あの、“橘 遙人”だったから。

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