第7話


 あたしの視線を一瞬で捕らえて離さないその姿は、外見はスラッとした長身で、髪型は少女漫画で良く見るようなザ・モテそうな男の子って感じ。髪色は遠くからだけど、見た感じダークブラウン系。顔はハッキリ見えなくても、イケメンと分かるくらい整ってる。どこかのモデルですか?と思ってしまう程、その立ち姿が美しく見えて目を離せずには居られなかった。




でもこの顔絶対どこかで見覚えがある。人違いでなければ、記憶違いじゃなきゃ。気付けば無意識に駐輪場探しなんて忘れて、菜帆を置き去りにした挙句自転車は変わらず引き摺ったままであたしの足と体はその姿目掛けて歩き始める。




あたしの突然の行動に驚いた菜帆が、あたしを呼んだ気がしたけどそれどころじゃなかった。




無心で歩を進めていると、何も聞こえない位には冷静で居られないはずなのに、そんな状況を意図も簡単にかき消してしまう形で今まで聞いたこともない低い声が耳に入ってくる。



「 おい 、聞こえてんのか 、女 」



その声にハッと我に返ったのか、動揺しただけでなく慌ててその足と自転車を止め、声のする方に恐る恐る顔を上げる。




上げた目線の先に綺麗な顔があたしの視界を一瞬で埋め尽くし、思わず息を呑む。




… あ 、やばい、これ世間一般的に言う“どストライク”ってやつだ。

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