第28話 勝ち誇るダン
僕とアリスがニユニユ先生に指名され、いま現在みんなの前に立っている……
なんでだろう、冷や汗が…前世で同じような事あったなぁ……みんなの前に立って発表…どうしていま思い出したのかなぁ。まぁ、決闘はほとんどシラユキが仕切ってたみたいだから僕は緊張しなかったのかも?
いきなり名前呼ばれて緊張してるんだろうなぁ、自分の事だけど緊張して感情が上手く読み取れないや。
「それでは、お二人に模擬戦をしてもらおうと思います!選んだ理由はなんとなく!じゃあ位置についてね!」
元気な先生だなぁ…先生に視線が集中しているみたいで、僕の体も緊張による硬直が少しづつ落ち着いてきた。
僕とアリスが互いを見つめるように、位置に着くと、ルールの説明を始めた。
「ルールは簡単、どちらかが降参もしくは危ないと私が判断した場合私が止めます!基本的に他にはルールはないけど武器は刃を潰したものか木刀を使うように!それじゃあ、模擬戦、開始!!」
あのぉ、準備の時間とかない感じなんですね?アリスは何故か木刀を構えている。最初から模擬戦に選ばれるつもりだったのかアリスは冷静だ。一方で僕は、他の人が模擬戦をしている所を見学する予定だったから素手だ。何も準備のできていない僕はアリスの振るう木刀を躱していた。
「逃げるだけなのですか?もっと!貴方からもっ、かかって来なさいよ!」
アリスの木刀による攻撃を躱し続けていると、アリスの口から文句を言われた。たしかに、何もせずに終わるのは面白くない、せっかくアリス模擬戦相手になれたんだ、存分に楽しまないとね。
「それじゃあ、いくよッ!」
僕はアリスの振るった木刀を躱すと懐に入り込むように動き、アリスの顎を殴りあげた。
「あうっ」
僕の攻撃が決まり、後ろによろけるアリス。
「そこまで!二人ともよく頑張りました。いい一撃をくらっていますし、アリスさんの負けという事でよろしいですね?」
「はい…わかりました」
アリスの返事は不服そうではあるが、先生の決めた勝敗に意見することはなかった。
「はい」
僕も、返事をするとみんなのいる後ろの方へと戻って行った。
「ソーマ相変わらず鬼畜だよな」
模擬戦終わって早々に僕に対して鬼畜呼ばわりは酷いと思う。
「ソーマくん、女の子なんだから少しは手加減してあげないとだよ?」
エルナまで…一応言っておくがアリスって僕達の事を蛮族呼ばわりした小娘だからね?縦ロールだよ?少しくらい痛めつけてもいいでしょ…ムカつくもん。
「ん〜他に模擬戦を、したそうな人がいないので後は各自訓練に励んでください!」
あの、ニユニユ先生…ここまで来たんですから他の人にも模擬戦をしてもらいましょうよ。
「せんせーい俺も模擬戦したいぞー!」
アレンよ思った事をすぐに口に出すのはいい事だけど、ニユニユ先生ってそんな簡単に決断を変えるような人ではないと思うよ?
「そーでしたか!それじゃあ、アレンくんと模擬戦をする人いますかー!」
そこでら手を挙げたのはダンくんだった。僕に勝てないからアレンに勝てるとでも思ったのだろうか…?
「俺がやる、おいお前アレンと言ったな?確かにソーマには負けたがお前には勝ってやろう。せいぜい嘆くがいい」
だいぶかっこ悪いセリフをアレンに吐くと、ダンは模擬戦をするため位置に移動した。
アレンも、そこに続くように移動した。
「ソーマに負けたけど俺には勝てるとか…舐めすぎだろ…いや、たしかにソーマよりは弱いけどよ。あ、お前って魔物を討伐した事あるのか?」
「あるぞ、それも危険度:Dのオークをな」
危険度:Dの魔物で、勝ち誇った顔をするダンを見てさらに余裕な表情になるアレン。
確かに十二歳で危険度:Dの魔物を討伐できるのはすごいと思う。危険度:Dといえば、オークなどの魔物が分類される。人間の大人よりも力強いオークを討伐できたとなればかなり優秀な部類だと思う…しかし、僕達はスタンピードの際に危険度:Bの魔物は一人一体以上討伐しているんだよ…
そして、一人考え事をしているとニユニユ先生による模擬戦開始の合図がでた。
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