第27話 担任登場

今日から、授業かぁ……


入学してさっそく問題があったが、教室にやって来た僕達にイチャモンつけてくる人達はいなかった。さすがに昨日の出来事を見ていたらしく、もう僕達に何か言ってくる人達はいないと思う。


アリスやダンの姿はあれど、僕達が教室に来たことを目視するとすぐさま視線を逸らし、距離をとってきた。まぁ、なんかごめん。


「学園の授業ですかぁ、村では先生を少ししましたが、それでもお手伝いの範囲内ですから私は興味がありますね」


「うん、たのしみ」


スミレ先生とイルミは村での勉強とは、また違った知識を学べると、楽しみでいるようだ。


一方で、


「勉強かぁ……そんな事より剣を振っていたいんだが?」


「ふふん、べ、別に嫌いってわけじゃないんだよ?」


「なんで私が勉強を?」


「ボクも嫌だなぁ」


どうしてか、他のみんなは勉強が嫌いだったり苦手な為学園の授業にいい印象をもっていなかった。


「うん、勉強したくない」

もちろん、僕も勉強なんてしたくない。


そんなことを話していると、


「よぉし!みんなの担任のニユニユだよ!よろしくねぇ!」


元気よく、教室へ入ってきたのは担任のニユニユ……実は昨日まで熱を引いていて別の教師が僕達に色々と説明していたんだよね。まぁ昨日は授業がなかったから、今日が初日だと僕は思っている(?)




「みんなは、もう自己紹介したんだよね?ならあとは、私だけって訳だ。私の名前はニユニユだよ!よろしくね!」



なんで、この十数秒の間に同じ自己紹介ができるのか僕には分からない…分かりたくないです。



「私だけ話しても楽しくないからぁ、早速だけど授業を通して仲良くなろうか!」



☆☆☆


ニユニユ先生に連れられて僕達は襲撃や決闘のあった訓練所へやって来た。


「あれ?なぜ剣の欠片が?いや、これ欠片ってよりも剣の柄つけたら剣になるね!?しかも刃が潰れてない……訓練所では使用禁止のはずなんだけどなぁ」



掃除ってされてないのだろうか、あの剣の欠片って昨日ノエルによって断ち切られたやつだと思うんだよね。それと、やっぱり剣の刃を潰していないのって使うの禁止なんだね、昨日普通にダン君が使ってたんだけどね。


「あれ?なんであそこだけ湿っているんだろうね?」


あぁ、あそこは昨日アリスがお漏らし…浄化クリーンって消臭消毒しかしないから濡れてるのはどうしようもないんだよね。


うん、アリスの方を見てみたんだけど顔を赤くしているね、他の人にバレていなかったのはよかったね(他人事)



「アリスさん顔が赤いですが熱でもあるのでしょうか?保健室へ行きますか?」


「いえ、大丈夫ですわ」


アリス……意識しすぎだよ、まぁ僕のせいだけど。よひ、切り替えていこう


「ソーマくん、昨日何してたのかな?」


僕の両頬をつまんで、顔を近づけてきた。


「何もしてないよ、あと顔が近い」


「あ、ご、ごめんね」

慌てて手と顔を離すと、謝ってくるエルナ、顔を赤らめて僕から目を逸らした。


これから何をするのかと身構えるクラスメイト達だが、この流れはどう考えても…


「それじゃあ、模擬戦をしましょうか!」


笑顔で、模擬戦をしようとこちらに向かって言い放った。模擬戦を通して交流を深め、さらに仲良くなりましょう、との事だ。


出会って初日で仲良くなろうとする陽キャの鏡に恐れをなした僕は、他の生徒達を隠れ蓑に先生から見えない場所に移動した。


「うーんっと、まずは誰と誰からにしましょうか……」


名簿を見つめながら、誰と誰で模擬戦をさせるか頭を悩ませているように見せていた。


しばらく、悩んだ末に、ようやく決まったのかとニユニユ先生に意識を向けると


「それじゃあ、ソーマさんとアリスさん前に出てきてください!うふふ、まずは貴方達お二人に模擬戦をしてもらいましょう!」


こうして、僕とアリスの模擬戦が決定づけられた。え、普通に僕はのんびり見学するつもりでしたけど?


「分かりました」


「あ、はい」


アリスは、淡々と頷き、僕は気だるそうに返事をした。





【あとがき】

もしよろしければハート、星、フォローで評価していただけると嬉しいです。


応援よろしくお願いします。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る