第26話 くっころ
いま僕の目の前には失禁したアリス・クリスティーゼの姿がある。
「ソーマくん、ここだけ周りから見えないようにしてるから何してもいいわよ?もちろん声も聞こえないわ」
ノエルはアパートが失禁した姿を隠してくれたらしい。流石ノエル、気が利くいい子だ。
「な、何をするっていうのかしら!?」
まったく、そんなに怯えなくてもいいというのに…まぁ、少しだけ弄ぶのもありかもしれない。
「ふふふふふ、ふははははは!」
僕は笑った、僕がいま笑えばアリスは何をしてくるんだ、とさらに怯えることだろう。
僕の笑い声に驚き体をビクリと震わせるアリスの姿、そしてその表情は泣き顔にしては整っておりさすが貴族だな、と思わせる表情だった。
「な、何を笑って…わたくしに何をする気なんですの!?」
いい感じに恐怖を覚えてくれたようだ。ぼくの計画通りの表情、そして態度をとってくれる。あくまでも僕の事を下に見るその言動、自分がいつまで上だと思っているのだろうか…
「うーん、そりゃあ失禁した女貴族とか二人きりになったんだよ?する事なんて決まってるじゃないか」
「な、穢らわしいですわ!」
いい具合に勘違いをしてくれて助かるよ、でも僕がそこまで君の事を性的な目で見ていると思われるのは嫌だなぁ……まぁ、それも含めて僕のしたいことではある。
「それじゃあ始めようか、」
僕が続きを言おうとすると、
「くっ、殺してください!こんな屈辱を受けるくらいなら、わたくしは死にますわ!舌を噛みきって!」
「舌を噛んでも死ねないと思うよ…」
アレって痛いだけなんだよね。舌が回らなくなってしばらく話しにくくなるんだよ…まぁ回復魔法もあるしこの世界ならすぐに治せると思うけどね。
それよりも!!
くっ殺を聞けた…僕はこの世界に転生して特にこれといって何かを成し遂げたいと思ってはいなかった。だが、前世で物語の中でしか見た事のない体験をできそうな世界に来たんだ。
色々としたくなってね、今はそれが目標、かな?わからせ、くっ殺…他にも色々あるでしょ?僕はそれを目の前で見たいんだ。
「本当に、可愛い顔をするねぇ…その表情も堪らないや……はぁ、時が止まってくれたらよかったのに」
さすがの僕にも時を止めることは出来ない、今も時間が経っているのだ早めに退散するとしようと思う。
「な、なんですの、ほんとう…に」
僕を怯えながらこちらを見るその表情がとても、いい。
「ノエル、そろそろ外に出よっか。あ、でもその前に
アリスの水浸しになったスカートや下着を魔法で綺麗にすると、僕達はそーっと訓練所から去っていった。消臭消毒はできても、そこには水溜まりが残っていた。
☆☆☆
「ねぇねぇ、ソーマくんってボク達から隠れてアリスに何してたのかなぁ?」
エルナに早速、先程まで何をしていたのか問い詰められた。さすがに、くっ殺が見たくて怯えさせていた、なんて事を言える訳もなく
「少しお話をていただけだよ、僕がアリスに何かする訳ないでしょ?さっきシラユキが脅したんだし」
「いや、ソーマくんはアリスのおしりをペンペンしたっていう前科があるんだからね?それに、気づいたらアリスの姿を隠していたんだから、怪しいよ?」
どうやら、僕は信用されていないようです。まぁ嘘をついているから、あまり強く言う訳にもいかないんだよね…
それと、アリスのお漏らしは他の人に気づかれていなかったようだ。
「早く寮に帰ってご飯にしよーぜ」
「アレンくんの言う通り今日は先生も少しだけ疲れましたよ?さすがに原初の幻獣…かなりの魔力でしたね」
アレンとスミレ先生も少しばかり疲れているようで、今日はもう何もせず寮に帰ってご飯にすることにした。
★★★
アリス視点
うぅ、どうしてこうなったのでしょうか…
いえ、わたくしの態度が悪かったからなのです。たしかに悪いと思っています、でも!ソーマ様のあの冷たい態度……あれが好きなんです。
わたくしのおしりをまた撫でて頂きたいのです、また……
ですから、頑張って悪役になったというのにソーマ様の行動は…
今回は生意気な口も聞いてみたんですが、まだまだのようですね。
えぇ、今度こそはおしりを撫でて頂けるように励みます!!
☆☆☆
寮に帰り、ご飯とお風呂を済ませたあと…
「ソーマくん、アリスってば少し喜んでなかった?」
「そうかなぁ?まぁ嫌がってたよ、きっと」
喜んでた…だと?もしそうならまだ強く……
落ち着け僕の心…一度冷静になって考えろよ?まだ僕の体は十二歳だ、色々と危ない。
よし、今日はもう寝よう。
【あとがき】
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