第25話 決闘
どうしてこうなった……
気づけば訓練所へやって来ていた。グランドとは別にあるこの空間、校舎裏にありグランドとは直接面していない場所にある。
「ふんっ!この俺が直々に裁きを下してやる死にゆく貴様に名を教えてやろう。我が名はグルウシス伯爵家長男、ダン・グルウシス」
たぶん、すぐに苗字わすれるし名前で呼ばせてもらうとしよう。
「あのねダン君、別にこの国で僕達は罪を犯したつもりはないんだけどね?」
あと、決闘の理由って僕が男女平等主義者って言ったのを、どう勘違いしたのか『決闘だ!』って言ってきて今に至るっていうのに。
「気安く名前を呼ぶな!平民風情が!」
少し関係ないかもしれないけど、ソウスケさんって僕の御先祖様なんだよね。そんで、ソウスケさんって元々この国の勇者として召喚されて貴族の爵位を貰って気づいたらあの村でお嫁さんと結婚してて、気づけば僕が産まれてって聞いたから。元をたどってけば元貴族の子供……ってことは平民か…
平民で間違いではなかったわ。
いや、この国の貴族としての席って無くなってるのか?うーん分からん。とりあえずこの決闘を終わらせないとなぁ。
「あ、うん」
「それでは、審判は生徒会長のアルマが務めますね」
アルマさんはこちらを見るとニコッと微笑みかけてきた。アルマさんが審判なら信用できるだろう。誰も知らない人よりもマシだ。というか、いつの間にか副生徒会長から生徒会長になっていたとは…まぁ、順当に考えてアルマさんより優秀な人が少なかったり副生徒会長として生徒会長を支えていた実績があるから抜擢されたのだろう。
「それでは、決闘のルールは戦闘不能になるか、どちらかが降参するまでグルウシスさんが勝利すればソーマさんを奴隷にソーマさんが勝利すればグルウシスさんがソーマさんに謝罪を」
釣り合っていない決闘だが、他に欲しいものもなければダン・グルウシスという男の奴隷を欲しいとは思えなかった。奴隷は女の子がいいよね。
「それでは決闘を開始します、お互い位置についてください」
僕とダン・グルウシスが位置についた事を確認するとアルマさんが手を上げた。
「それでは決闘開始!!!」
決闘の合図と共に手を振り下ろした。
ダン・グルウシスの武器は両手剣、対する僕は素手だった。なぜ武器を持たないか?僕には優秀な従者達がいるからね。それとダン君、その両手剣って刃が潰されていないよね?普通に実践用だよね?誰も止めてないけどさぁ。
「おぉぉりゃぁぁ!!」
大きな声をあげてこちらへ向かってきた、僕は特に動く事なくダン君が剣を僕に向かって斬りかかってきた。
「もらったぁぁ!!」
ニヤリと笑い、僕を攻撃しようとしたが
「はぁ、その程度で私達の主に害をなそうとしたと?」
ダン君の持っていた両手剣の刃が持ち手を残して消えた。
「お前達は何者だ、?」
本来見えないはずの精霊―――ノエルとノワールが人に見えるよう具現化した。もちろんシラユキもその中に紛れてダン君を睨んでいる。
「おぉ、あれがソーマの配下の精霊女王と上位精霊かぁ可愛いやつとかっこいいやつだなぁ」
アレンが外野から、何かを言っていたがこちらには少し離れていて聞こえなかった。
「我が主であるソーマ様に決闘を挑み蛮族と罵倒を浴びせるとは万死に値する」
僕の従者たち、僕の知らないところで何かを話し合っていたがこの事だったのか……
「ソーマくんは、こういうの好きじゃないと思うけど早い段階でソーマくんの力を示しておきたいからね」
たぶん、また難癖つけてくると思うけどね。
「ソーマ様、あとはおまかせを」
そう言って原初の幻獣ノエルがダン・グルウシスの前に行った。
「な、なんだよ!」
「貴方だけでなく、ソーマ様を愚弄し嘲笑った人間に告ぐ死にたくなければ今すぐ土下座をしろ」
そう言い放つと、ノエルは己の魔力を解き放った。その魔力は可視できるほどの濃度で僕に敵対心を持つ者には恐怖を、中立的な人や好意を持つ者には力を見せつけた。
ノエルは魔法こそ使わなかったが、あの浴びせられた魔力は並の魔法よりも恐ろしいものだと思う。
「「「ズビバゼェンデジィダァァ!!」」」
恐怖で顔を顰める彼、彼女達は僕の前で涙や鼻水を垂らしながら土下座をした。命乞いをするかのように必死に土下座をした。
あのぉ、あんまりこういうので目立つのはちょっと……
「許すから早くどっか行って」
よく見ると、土下座をした中にはアリスの姿が見当たらなかった。
…よく見ると僕の所まで来ようとしていたみたいだが、途中で失禁しているのが見えた。
アリス本人はずっと泣いている、僕はそんなアリスに歩み寄った。
さぁ、おしおきの時間だ。
【あとがき】
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