第23話 模擬戦
「俺の名前はジョン。それと模擬戦で怪我しねぇように、ちゃんと受けきれよ?俺もお前さん達を怪我させたい訳じゃない、だが冒険者になるってなら少しだけ力を試させてくれ」
模擬戦をするため、冒険者ギルドの裏手にある訓練場に僕達はやって来た。
ジョンさんは、シギルさんから聞いていた通り根はいい人なのだろう。
「はっ、兄ちゃんこそ怪我しないように気をつけろよな」
「あの、あんまり言うのは」
そーだぞーアレン、イルミの言う通り人を煽るのは良くないよー!最近は主人公より主人公の邪魔をする悪役勇者みたいな発言多い気がするよ?
「えっと、誰から模擬戦する?」
「私からするわ」
セナが名乗りだし、早速模擬戦を開始する事となった。
☆☆☆
「それじゃあ、審判は俺が務める。降参するか危ないと感じたら止める。それでは―――はじめ!」
短剣を構えるセナに対しジョンさんは大剣を大きく構えている。
シギルさんの模擬戦開始の合図と共にジョンさんがセナに向かって大剣を振り下ろした。
その攻撃を華麗にかわしたセナはジョンさんの背後にまわって、魔法を撃ち込んだ。もちろん少し痛いと思う程度の威力の魔法だ。
「今の一撃が、いつもの私の魔法なら貴方は死んでいたわ。だから私の勝ち、いいわね?」
「もちろんだ」
ジョンさんはセナの動きに翻弄された上に、背後から魔法を撃ち込まれて戸惑っていた。なぜこんな小娘が?と、いう風な顔をしていた。
その後、オーグとエルナが模擬戦をした。
オーグは植物魔法でジョンさんを拘束して身動きが取れないジョンさんの負けとなった。
エルナは、自慢の猫の手ナックルで殴りジョンさんを麻痺状態にさせ戦闘不能となりジョンさんが負けた。
続いてアレンとイルミが、ジョンさんに模擬戦を挑んだ。ジョンさんの心は既に疲弊していた、何故こんなガキ共がこんなに強いのだ?と顔を顰めていた。
アレンは、普通に力技でジョンさんに勝ちアレンは剣技やスキルを使わずに圧勝した。
イルミも、圧勝したのだがイルミの場合は魔法による物量でそもそもジョンさんがその場から動けなかった。
「さぁ、今度は私の番ですね!!」
「あ、あぁ。お前さん達の実力はもう分かった、この調子ならお前達も強いんだろ?そうじゃないなら別だが、同じくらい強いなら俺はもう用済みだよ」
そう言ってジョンさんは、とぼとぼ、と歩いて訓練場から出ていった。
「あぁー、二人が残っているようだがどうしたい?もし模擬戦がしたいなら俺が相手をするぞ?」
「僕は遠慮しておきますね〜、早く帰ってゆっくりしたいですし」
シラユキとノエルが見当たらないんだよなぁ……冒険者ギルドへやって来る途中ではぐれたみたいで今あの子達がどこにいるのか心配だ。
ちなみにノワールは王都の貴族関係などのちょっとした情報収集を頼んでいる。
「それなら私も、帰りますよ!」
スミレ先生もそう言ってくれたので僕達は学園に帰ることとなった。
☆☆☆
「あっ!ノエルとシラユキいったいどこに行ってたんだ?」
冒険者ギルドを出るとノエルとシラユキがこちらに向かって来るのが見えた。
「王都の猫達を配下にしに行っておりました。これでより情報が集まります」
猫型の幻獣である彼女は、猫達とお話をして配下にしたらしい。
「少し王都に来ていた知り合いに会いに行ってたのよ」
シラユキも、精霊の知り合いがこの王都に来ていたらしくその子に会っていたみたいだ。
二人とも暇をせず、楽しめていたのならよかった。ノエルに関しては何してんだよってツッコミたい。
僕達は、こうして冒険者となった。
まだまだ、これから学生としても励むつもりだ。
☆☆☆
僕達が冒険者として活動を暫ししていると、気がつけば明日は、入学式の日だった。僕達は留学生ではあるが、入学式もしっかりと受けてこの国の学生になるらしい。
国籍はもちろん、僕達の国のままだけどね。
前世での入学式の記憶などほとんどないが校長先生の話は長く、お腹がなったのはよく覚えている。
【あとがき】
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