第21話 冒険者ギルド

僕達は昨日、夕食を食べた後は特に予定もないので直ぐに寝た。今日する事は特に決まってないが、街を散策する事になると思っている。


「それで、今日は二人で街に出かけるか?」


「どうするの?」


アレンとイルミよ、出かけるならみんなでだと思うぞ?二人でデートは……多分無理だと思う。僕達がついて行くから、そっと見守るためにね。


「それじゃあ、冒険者ギルドに行ってみませんか?まぁ、絡まれる事を想定した上でですがね」


スミレ先生の言うとおり、冒険者は荒くれ者が多く僕達のような子供がギルドに行けば絡まれる事はまず間違いないだろう。返り討ちにする事も出来ると思うが、そんな事すれば問題になりかねない。


だが、そこにはロマンが…テンプレが詰まっている。並ば行くしかないだろう。


「行きt……」


「じゃあ、買い物に行こうよ!ボクはソーマ君とお揃いのアクセサリー欲しいなぁ」


エルナ、お前の事は好きだけど私情により、恨ませてもらうよ。藁人形ってどうやって作るんだったかな?


☆☆☆


結局、僕達は冒険者ギルドに行く事はなく王都の市場に行ことになった。


学園から一番近い市場までは十分ほどでつくため、歩いて行くことになった。他にも市場の近くには、貴族街と呼ばれる貴族達の別荘のある区画があったりする。王都に用事のある貴族はその別荘にて仕事をしたり、王様の呼び出しを二日前くらいから待機するらしい。


他にも、学園から十分ほど歩けば僕が行きたかった冒険者ギルドがあるのだが市場とは方向が違うため今日は行く事はないだろう。行くとすれば市場近くの大きな商会やカフェや喫茶店くらいだと思う。



「おぉ〜人がたくさん居るね」


そう言ったエルナに、皆が頷いた。


エルナの言う通り、僕達がスタンピードの増援をしたジルさんが治める領地『バルコニア』領よりも人がたくさんいた。


この世界では領地を治める人の苗字が領の名前になるらしい。僕達の国であれば、ソウスケさんの苗字になるはずだったが本人が断固拒否、そして別の名前を提案した為揉めて結局名前の無いくにとなったというのが真相だ。


バルコニア領よりも人は多いが、王都と比べてもバルコニア領の人達は活気は負けていない気がする。常にあの終焉の森ラグナロクを隣に街を構えているからか、気の強い人たちや明るい人達がたくさん居た。


あの森を隣に住んでいる人達は肝が据わってたなぁ……


「どこから見る?八百屋さんがあるね!あそこ行ってみよ?」


僕はそう言って八百屋へかけ出すと、人混みの中から現れた体格のよい男性とぶつかった。


「すまんな、坊主。体がでかくて見えなかった。八百屋に行く途中だったのか?なら詫びに奢ってやるよ」


そう言って、僕に八百屋さんで売られている果物を奢ってくれることになった。


「坊主、名前は?俺はシギル。今日は何する予定だったんだ?」


「僕はソーマ、今日ね友達と買い物に来てたんだ」


シギルさんに少し後ろにいた皆を紹介した。


「おぉ!いーじゃねぇーか。そうだ、冒険者ギルドで飯でも一緒に食うか?果物も奢ってやるが飯の方がいいだろ?」


ニカッと笑い八百屋で果物を買ってくれた。結局、冒険者ギルドへ行く事になり僕は喜びエルナは少ししょんぼりしていた。


今度、時間のある日にでも一緒に買い物に行く事にしよう。


☆☆☆


冒険者ギルドにやって来た僕たちですが、ギルドの建物は大きく異世界だと思わせるような剣と盾のマークの旗が掲げられた建物でした。


「シギルじゃねぇか!なんだぁ?ガキ連れて帰ってんのかよ?ガハハッいつの間に子持ちになってんだよ」


「ちげぇよ、ったく。すまんなソーマ達あいつらは暇な時はこうやって絡んでくるんだよ。適当に相手しとけば基本的には大丈夫だ」


シギルはそう言って受付まで僕達を連れて行った。僕達は受付で特にする事がある訳ではないがシギルが狩った獲物を見せてくれるらしい。


「これが、マジックバックだ。よいっしょっと…これが獲物のレッドボアだ。危険度:Cの大物だな、出来れば危険度:Bの魔物を狩りたかったがな生憎見つからなくてな。」


マジックバックから取りだした猪は赤い毛が特徴的で、大きな牙があった。


「はぁ…まったく、ここで出さないでくださいよ」


ため息を吐いたのは受付をしていたお姉さんだ。冒険者ギルドと言えば受付嬢……最高だなぁ。


「それじゃあ、精算する間に飯を食いに行くか。冒険者ギルドは酒場もやってるからな」


……最高だぜ、これこそ異世界の醍醐味、そして不味いエール、はまだ飲めないが雰囲気を楽しむ事にした。


「じゃあ、俺はボアのステーキ定食にするぜ!」


僕達は、みんなお腹が空いていた事もありアレンと同じ腹に溜まりそうなステーキ定食を頼んだ。


少しだけ待っていると、ボアのステーキと白米そしてサラダが運び込まれた。


「「「「いただきます!!!」」」」


ボア肉のステーキは、クセも無く豚よりも美味しく旨みの濃い肉をしている。


もちもちとして押し返すような弾力と共に深い滋味、甘みが口のなかに広がった。


それと一緒に食う白米は上手く、掻き込むように食べた。


サラダはボア肉の脂で胃が疲れた所を癒してくれる素晴らしいスパイスだ。胃が休まったところで再びステーキを食い白米を掻き込んだ。


これを、ステーキと白米、サラダが無くなるまで続けているといつの間にか原が膨れていた。


「「「「ご馳走様でした!!!」」」」




【あとがき】

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