第19話 襲撃
襲いかかる生徒会長達に対抗すべく、僕以外の皆が行動を始めた。
「
オーグの魔法によって、何も無い土から大樹が生えてきた。その大樹から抜け出すように五体の木のゴーレムが出現した。
そのゴーレム目掛けて火魔法を放つ襲撃者達だが、生の木は水分を多く含むため表面が焦げることはあれど燃えることはなく、次々と魔法使いを倒していくオーグの植物人形。
「ふふん、そこまで強くないね…」
自分の実力が試せると思っていたオーグが思いのほか弱かった襲撃者にガッカリしていた。
「もぉ、襲撃しに来たと思えば弱すぎないかな?ボク退屈なんだけど?」
そう言い放ったエルナは、手に着けた猫の手のようなナックルで相手を殴り倒していた。
殴り倒された相手はエルナの使う状態異常の魔法に苦しめられ、毒や麻痺状態になっていた。
「私達が蛮族?どこで間違った教えを受けたのかしらね?本当にムカつくわ」
セナは自分達が何もしてないのに、襲撃なんてするこの人達に怒っていた。
「
その魔法は、一見とても冷たく吹雪いている雪にしか見えない。だが、この雪に触れるとその部分から凍りついていくという魔法だ。
この魔法をくらった襲撃者達は氷像と化していた。
「ほんとに、楽しい長期旅行のつもりだったのに最悪」
イルミは今回の留学をアレンとの旅行だと勘違いしていたようだ。恋は盲目と言うが流石に僕達泣くぞ?ずっと一緒に行動してご飯も共にしたというのに…だが、いい!ラブラブしてくれ。萌えるから。
「
その魔法は人に放ってはいけないような魔法だが完璧な魔法制御により気絶で済ませているイルミは凄腕の魔法使いだ。この魔法を受けた者はチリとなり消える消失魔法だ。
完璧な魔法制御だ、しかし頭だけが禿げた。男も女も襲撃者に紛れていたがイルミ部屋襲いかかった襲撃者達は皆同様に禿げた。
「え、イルミやりすぎじゃね?」
そう言うアレンは、敵と相対していた。
アレンは襲撃に怒ることはなく、むしろ暇つぶしが出来たと内心感謝していた。それでも、敵対した者達を殺すまでとはいないが許すつもりはなかった。
「剣技:
剣に纏わりついている黒いモヤは斬った悪魔の数によって濃くなる。いつの間に悪魔を斬っていたのかは知らないが恐らく、ラストダンジョンで狩ったのだろう。攻略を終え城を立てた後に、調整をして入れるようにしていた記憶がある。アレンもその時入ったのだろう
その剣技は、人の精神を斬ることに特化しており斬られた相手は廃人となる可能性がある。そうならずとも、多少は精神が病みその剣技を放った相手に恐怖を植え付ける。
凶悪な剣技だが、復讐させない為にもこれくらいは必要なのかもしれない。目の前にいる人達はアレンの手によって廃人になる人はおらず、僕達に対する恐怖だけが植え付けられた。
アレン……いつの間に悪役堕ちしたんだ?まぁ、まだ出てきてないだけで主人公みたいな剣技もあるもんな?
「先生は、何かあれば暴力で解決して良いと言われているので…襲撃者達よ観念しなさい」
偉そうに言っていますがスミレ先生は、本来であれば来る予定の人じゃないので暴力で解決していい要員ではないはずですが?
そんな事知らないと言わんばかりの勢いで、襲撃者の放つ魔法や剣を避けては反撃を始めた。
「
赤黒い粘液のようなものが、襲撃者達を襲った。どちらが襲撃しているのか分からない光景だが、悪いのは今スライムのような粘液に襲われている人達だ。
赤黒い粘液達は役目を終えると光の粒となり消えていった。本当に先生は何者なんだろう…使う魔法の規模ガでかい……いや、英雄の末裔しか居ない村の人だから普通なのな?
常識ってなんなんだろう……
☆☆☆
騒ぎを聞きつけた学園の先生達が、訓練所へやってきた。
先生達がやって来るのは少し遅く、既に襲撃者達は気絶している人達が大半で意識のある人は生徒会長ぐらいだった。
「これは、どういうことでしょうか?生徒会長」
そう言い放ったのは先生には見えない少女だった。身長が低く140cm程でスミレ先生と同じくらいの身長だ。
「私は副生徒会長のアルマと申します」
苗字を持たない彼女は恐らく平民なのだろう。だが、礼儀正しく副生徒会長にまでなれる平民……かなり優秀なのだろうな。
「こんにちは、僕はソーマ。それで何の用と聞くのはアレだけど。僕達は被害者って事を先に言わせてもらうよ」
「えぇ、わかっております。ですがこの人達を放置する訳にも行かないので教師に来てもらい、兵士にでもつき出す予定です」
なかなかに肝が据わってる女性で、副生徒会長としても優秀なのが垣間見えた気がする。
後のことは、この人達に任せて今日は寮でゆっくりする事にした。
【あとがき】
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