第18話 入寮

王都へやって来た僕達は、その大きな城に圧倒された…ことはなく自分達の国……どうしても村と言いたくなるが、あの国で城を見ているからまぁ凄いとしか言えなくなっていた。


「あそこが、学園かぁ」


僕達が目の前にしているのは国立魔剣学園。この学園は魔法と剣を学ぶ為の学園で、国の貴族や優秀な平民そして、僕達のような留学生が来る学園だ。


まだ、詳しい事は知らないけどね。


何も聞かされてないから……


「それじゃあ、行きましょう!」


いつの間にか僕達の代表になっていたスミレ先生が、先頭に立って進んだ。


☆☆☆


学園に入り寮までやって来た僕達だが、ここまで来るのに問題はなくとても良い対応をしてくれた。


「私、寮母さんより年上なんだろうなぁ…」


年齢不明のエルフことスミレ先生は、これから会う人主に寮母さんとの関わり方に悩んでいた。


そんな独り言を話している先生を眺めながら寮母さんがやってくるのを寮の前で待っていた。


「おやおや?君達が留学生かい?私は寮母のキリエよ」


僕達の後ろから話しかけてきた中年女性は少しふっくらしており、みんなのお母さんのような印象を受けた。


「はい、えっとお世話になります?」


「えぇ、よろしくね」


僕達と寮母さんの関係が始まった。


☆☆☆


寮母さんに案内されて、僕達男子は二階の部屋へ女子達は三階の部屋へあんないされた。


僕達の部屋は、そこそこ大きく三人で生活するには少し大きいが快適な部屋だった。


ちなみに、僕たちの部屋は端の方で階段からは少し遠い。対面の部屋もあり、仲良く出来ればいいなと思っているところだ。


僕達の荷物は起き終わり一階にて女性陣を待つ事にした。


「ふふん、来たようだね」


謎のラスボス感を出すオーグは気にせず、女性陣が来たことを確認した。


「部屋すごいよかったよ!ボク達四人でも快適に暮らせるくらい大きかったんだ!」


話を聞いてみると、僕達乃ちょうど真上の部屋らしく部屋の内装もほとんど同じらしい。


入学式や学校の設備の案内は再来週らしいので、今日はゆっくり休む予定だ。


他の寮生達はまだ来ておらず、僕達が一番のりだったらしい。ノエルの転移で少し早く来たから仕方ない事だが、随分と暇な時間が出来た。


「君達がもしかして留学生で来たって方々かな?」


「ん?誰だ?」


アレン、その口調だといずれトラブルに巻き込まれるよ…不安だよ僕は。


「僕はこの王立魔剣学園の三年のリグ・スレイ、生徒会長をしているんだ。それと、僕はここの寮じゃなくあっちの寮の人間だね」


リグさんが指を差した方向にも、僕達の寮と同じような建物が建っており、入寮した寮で三年間過ごすらしい。


だから、リグさんはあの寮で暮らし始めて三年目という訳だ。


「へぇ、生徒会長なんだ。」


「そうだ、学園を案内してあげようかい?僕も暇だからどうかな?」


生徒会長の提案にのることにした。特にすることも無くヒマなのはこちらも同じの為暇つぶしに生徒会長のリグさんに着いていくことにした。


☆☆☆


「学園と言えば、食堂!結構広いし、生徒達は無料で食事を食べる事ができるんだ。定期テストや学園主催の大会で賞とかを取ればデザートのおかわり券を貰えることもあるんだ」


確かに、学園と言えば食堂だ……とても広くたくさんの席があった。テストがあるのは憂鬱だが、頑張るつもりだ。程々にね……疲れたくないから。


そして次に連れられて来たのは……


「ここが、訓練所だよ…ふふふ。僕は生徒会長だ、ここに蛮族が来ると聞いたからには討伐戦しなければならない」


ん??


あのぉ、生徒会長がこの人って…変えた方がいいと思います。


たぶん、自分の周りの人とか自国の人にだけ優しい典型的な人なんだろうなぁ…


僕はどこか遠い目をしながら、リグさんの話を聞いた。


「ふふん、訓練所の周りに人が沢山集まっているようだね」


「ソーマ様、私がやりましょうか?」


万が一に備えて、僕の影に潜んでいたノワールが顔を出した。ノワールはノエルと違って身長が180cm程ある大人の男性で、執事のような格好をしている。


「いや、皆がやる気だし僕達は見学でもしようかな?」


「かしこまりました」


そう言うとノワールは再び僕の影に潜り込んだ。


「ソーマ君」

「ソーマ様」


シラユキとノエルの二人も声をかけてくれるが、君たちも大人しくしておこうか。みんなも動きたい様だからね。


「はぁ、どうしてこうなるんだろう。ボクは争いたくないのに…でも、仕方ないよね?」


「まったく、私も懲り懲りです。」


「面倒くさい人達ね、この国の人達はみんなこうなのかしら?」


「ほんと、嫌な人達」


エルナ、スミレ、セナ、イルミの順に愚痴を吐いて言った。


アレンと、僕は女性陣が普段は吐かない言葉に唖然としていた。


「それじゃあ、消えてもらいましょうか」


リグがそう言うと、周囲から武装した集団が現れた。



【あとがき】

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