第9話 わからせ

ぼくの放った一言が、金髪縦ロールに更に火をつけたのか青筋を立てた。



「わたくしの名はアリス・クリスティーゼ」



「僕はソーマ、君はね礼儀がなってないよね。郷に入っては郷に従え、そんな言葉があるように君はルールやマナーを守れなかった。」



そして、言ってやった



「わからせてやる」



刹那、ノエルの魔法によってアリスの背後に転移した僕は―――


「痛いですわ!?」


おしりペンペンをした―――


何度も何度も、アリスが泣き謝ろうとぼくはその手を止めずにおしりペンペンをした。


そして、数分後


「ごめんなさい…グズッ私が悪かったですわ」



実を言うと僕はキレはしたものの、ここまでする予定ではなかった。だが、この状況…理解わからせのチャンスだと思った。



あのおしりの叩き具合は最高だ。かなりムチッとしていた……うん、ありだ。



それに、あの泣きわめく姿もクルものがあった。



「わかればよろしい」

そう言って僕はおしりを抑えるアリスを解放した。


振り返ると、目が点になった皆が待っており暫く動きが止まっていた。


★☆★


「いやぁ、スッキリしたぁ。」


うん、調子に乗ってしまった…だが!僕にも夢がある、前世で叶わなかった―わからせ―くっ殺―今世では叶うかもしれない……


僕の幸せなスローライフを送るために僕は頑張るぞ。


★☆★


「お父様!あの人です!」


「彼奴が儂の孫のおしりを叩いたという不敬者だな?儂はゼノウ・クリスティーゼだ」


あの後、少ししてから帰ろうと帰路に着いていたのだが、まだ城を出ていなかったせいなのか目の前に先程の縦ロールのアリスとその祖父と見られる人間が立っていた。


「やぁ、こんにちは。貴方も僕のおしりペンペンを受けに来たんですか?お孫さんと一緒でそういう趣味が……」


この先生のお貴族様は、そういう性癖が?と少しばかりいらん事を考えながら僕は先ほど同様にノエルに転移をしてもらった。


「ふんッ!」


僕が背後に来たことを悟ったお爺さんは、僕の抱擁を躱して、僕の背後を取ろうとした。


だが無駄だ、そう言わんばかりにノエルにゼノウは転移させられ僕の抱擁とおしりペンペンを受けることになった。


片手に抱えていい歳したお爺さんをおしりペンペン…この構図はだいぶ絵面が厳しい……


「その程度で儂が喚くとでも?」


既に捕まっているというのに、こんなにも元気なゼノウ・クリスティーゼ。


僕は更に力を込めて…おしりペンペンをした。



数分後―――


「ごめんなさい」


そこには土下座する、老人の姿とアワアワするアリス野すががあった。



「それじゃあ、帰ろっか」


後ろを振り向くと、そこには再び目を点にした皆が立っていた。



★☆★


「ソーマ君ってそういう、ぷれい?が好きなの?それならボクが…ゴニョニョ」


小声出言っているようだが、全て聞こえているぞエルナ。



他の皆は何もなかったかのように会話を続けており、エルナだけが独り言を呟いていた。




「それじゃあ皆さん、今日は解散です!」


「なんで、先生が仕切ってるんだよ?元々来る予定なかったってのによ」


「アレン、それ先生泣くやつだよ?」


イルミの注意を受けて慌てて謝るアレンだが時すでに遅し、スミレせんせは既に泣いており、あれは謝り倒すのであった。


「ソーマ、今日のあれ面白かったわ」

セナの口元が少し上がっているように見えた、あれが面白かったのだろう。


いい趣味してんな、おい。


「ふふん、楽しかったね!」

オーグもなんやかんやあったが楽しめていたようで、僕も安心した。


「うぅ、それじゃあ皆さんお気をつけて帰ってくださいね!」


泣き止んだスミレ先生がヒクヒクと言いながら解散を告げた。



★☆★



今回の一件で、ソーマの抱え込んでいる闇…それを包む綺麗な魂にヒビが入った―――


ソーマは自らの精神が弱っている事に気がつくのだろうか―――


【一章完結】


★☆★


【あとがき】


星とかフォローとかハート!めっちゃ欲しいです。欲張りな作者のためにどうかよろしくお願いします。

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