第8話 交流会

授業が終わりアレンに誘われた僕達は何処かへ向かって歩いているところだ。


「それにしても、先生まで来るんだな」

アレン、あまり言うとスミレ先生泣くぞ…


「うぅ、だって暇なんですもん」


ほら泣いた。


「アレン、スミレ先生の事泣かせちゃダメだよ?」


「イルミ、ごめんって。先生もごめんなさい」


すぐに謝れるとは良い奴だな、アレン。それと、先生の泣き顔結構良かったぞ。


アレンとイルミは家が隣同士で学校にも一緒に来ていたようだ。


やっぱ、主人みたいなやつだよホント


「ソーマ君、今度はボクと模擬戦してよ!」


エルナが元気よく、僕の背中をポンと叩いて顔を覗かせてきた。


「そうだね、また今度ね。結局、僕達は何処へ向かっているの?」


「ん?あぁ、あそこに城ができただろ?そこだよ。別に行っちゃ行けない訳じゃないらしいぞ?」


「実は私はもう行ったことあるのよね」


アレンの言葉に反応し、行ったことあると発言したのはセナだ、少し冷たく感じる事もあるが根は優しいらしい。(先生情報)


「ふふん、楽しみだね!ぼくはまだ行ったことないんだ」

先程まで、みんなの会話を後ろから見守っていたオーグも会話に参加してきた。


「みんな仲良いなぁ」

ポツリと独り言を呟いてしまった。羨ましいなって、そう思ってしまった。


僕は一人がいいくせに気がつくと一人が寂しくて、でも程よく人と関わりたくて距離をとって……


人間関係難しいなぁって考えていた、


「何言ってんだ?ソーマももう友達だろ?なら俺達はもう仲良しだよ」

そう笑ってアレンが肩を組んできた。


オーグも後ろから僕の肩に手を置いて、


「ふふん!ぼくらはもう友達だよ」


みんなも、そうだよって声をかけてくれた。



つい嬉しくて笑ってしまった。



そっと斜め後ろからスミレ先生も微笑んでいるように見えた。



★☆★


徒歩10分で辿り着くラスダン……



僕はもっと、こう、なんと言うか旅をして旅の最後に強くなった状態で来る場所だと思っていた。


そのダンジョンはいま目の前にある、性格には城の下に広がる空間の事だが、こんな簡単にラスダンに辿り着けるとは……


「お!ソーマ君達じゃないか!」


城に目を奪われていると、少し離れたところからソウスケさんがこちらに手を振っていた。


「こんにちはソウスケさん、それと…」


「あらん、可愛い坊やじゃない。ソウスケちゃんこの子達は?」


大きな女性がいた。筋肉モリモリで身長二メートルほどの女性がいた。


「村の学校に通う子供達だよ。城の見学にでもしに来たのかい?でもそろそろ他国の人間が来るからなぁ」


今日が他国からの客が来る日で、城に入れない訳ではないが問題が起きると面倒だから今日はなるべく来ないように、と事前に伝達していたはずだそうだ。



「先生ってさ、やっぱ何でもないや。それじゃあ今日はどうする?俺達、友達と仲良くなろうぜの会を開こうと思ってたんだけどよ」


アレン君、先生は忘れていた訳じゃないと思うぞ?あと成人はしているであろう先生なんだが、まだ子供枠に入ってる気がする……


見た目子供だし…


「先生は、知らなかった……先生なのに…大人なのに知らされてなかった…あれ?私ってエルフだから若く見えるだけなのに、どしてだろ……あれれ?」


この先生も、結構アレですね。


「あらん、それじゃあどうしましょ?う〜ん別に問題ないと思うわよ?それに……」


少し間を空けて、


「何かあっても、こちらから手ぇ出てない限り悪いのは、他国の奴らよ気にせず子供達は遊びなさい」


ただでさえ低い声を更に低くして少し怖い顔で語った。


「そうだね、君たちから変なことはしないようにね。それだけ気をつけるなら遊んでもいいよ」


ソウスケさんも、こう言ってくれるので遊ぶ事にした。



★☆★



「それにしても広いなぁ」


ソウスケさんと、先程のお姉さん…名前はアルさんだそうだ。


『アルちゃんって呼んでね』

何故だろう、去り際の一言にハートがついていた気がする。



「うおぉぉぉ!すげぇぇ!!」


「アレン、静かにだよ?シー」


おい、アレンよ今は客人が来ているんだ。あまり騒ぐのは良くないと思う。


「うわぁ、すごいねボクここに来るの初めてだけどホントにすごいや」


語彙力を置いていくなよエルナ


「何度来ても装飾がすごいわね」


この城の装飾に見とれてセナの瞳もキラキラしているように見える。


オーグと先生は声こそ発していないが、周りをキョロキョロと見回しており、他のみんなよりも行動が可愛く見えた。


そんな僕も、キョロキョロしてしまっているけどね。



「いやぁ、それにしてもすごいね!」


思わず声を上げると、響いてしまうほど広い廊下が広がっており廊下だけでなく部屋のどれもが広く美しかった。


★★★


「ふふふ、貴方たちわたくしの下僕になりなさい」


金髪縦ロールの女貴族が現れた。


「貴方達のような蛮族の末裔は、わたくしのような高貴な人の下で働くべきよ?」



その後も罵詈雑言を述べる金髪縦ロール



「それに、友達ごっこなんて何が楽しいのかしら?」


その一言がいけなかった、嘗て英雄と呼ばれた者の末裔が普通な訳が無い、やっと真に友達と呼べる存在ができたソーマにその一言はアウトだ。


今のソーマは前世より溜め込んだ闇を抱え込んだ爆弾のような存在なのだから。


「お前、名前は?僕の友達が、これがごっこ遊び?くだらねぇ」



わからせてやる



【あとがき】

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