第5話 精霊女王
ダンジョン攻略から1週間が経ち、僕は現在シラユキに擦り寄られている。
「ソーマ様ぁしゅきぃ」
なぜだ、先週まで美人秘書みたいな感じだったのに……
そんなシラユキは少し放置だ。
この一週間であった事と言えばダンジョンの上に城ができたくらいだ。
ラストダンジョンは地下に広がるダンジョンでその上に城を創ったらしい。これはダンジョンマスターの権限でできるらしく、これから本格的に国として声明を出すのだろう。
それに関しては僕は特に国民となるだけなので詳しくは知らないが、シラユキと共になら自由に散歩をしていいと両親から伝えられた。
「シラユキ、そろそろ散歩に行こう?」
「わかりましたぁ」
シラユキよ、なぜ蕩ける猫なのにエッだぞ。
僕は子供だからあまりよくわかんないけどね。
今日も来いつもの散歩道を歩いていたのだが、いつもと、否シラユキと主従契約を交わした後から視界に小さく光ナニカや羽のある小さな人が見えるようになった。その大きさは僕の手のひらサイズで小さい。
「あの、シラユキこの視界に映る小さなこの子達は一体なんなの?」
「この子らは精霊ですね、私と契約した事により見えるようになったのでしょう」
そっか、そういうのははじめに教えてほしかったよ。
「精霊って事は契約を結べるの?」
「えぇ、ソーマ様なら隷属させる事も可能アリですよ」
「そんなことしません。少し気になっただけだよ」
契約するにしても主従契約や対等な契約を結びたいと思っている。
精霊達なのだがもちろんお散歩恒例企画(?)鑑定大会を始めた。
【幼精霊】
まだ属性を持たない幼い精霊。
【下位精霊】
まだ、属性を持っていない精霊。そろそろ属性を持つかも?
【火の下位精霊】
火属性を持つ精霊。
「精霊いっぱいいるなぁ」
精霊達の持つスキルは、どれも精霊魔法しかなかった。
目視で見ても精霊の持つ羽の色や髪の色は属性に影響されて赤い色をしている。
幼精霊はまだ属性を持たないためしっかりと姿を持っておらず光の粒がそこに漂っているように見える。色も様々で幼精霊はそこらじゅうに見える。
眩しくないのか?と思うが、そこまで眩しくない。それに夜だが夜になると光の粒もほとんど見えない。
「ソーマ様もう夜も暗いですし早くお家に帰りましょう」
シラユキの言う通り辺りは暗くなり夜風も吹いてきたので帰ることにした
「ただいまー」
「あら、遅かったわね」
「うん、ちょっと遠まりして帰ってきたー」
今更なんだが、僕は3歳児だ。
おかしい、なぜ3歳児を一人と1匹で外へ行かせる。
★★★
目が覚めると、いつも通りベッドの上に居た。僕の部屋にはシラユキがいてここ一週間いつもいっしょに寝ている。
「ソーマ様ぁむにゃむにゃ」
まだ、ねているようだ。外もまだ少し薄暗くまだ起きる時間には早いようだ。
それにしても、変な夢を見た……
てか、本当に夢なのか?いや夢だろ、うん。
精霊を目視する瞬間は契約してからの一週間に1度もなかったというのに。
朝早く起きて特にする事もないので窓から外の景色を眺めていると────
光の粒に囲まれた女性が歩いていた───
その姿は美しく、肩まで伸びた銀色の髪この村では見た事のない髪色をしておりその女性が何者なのか分からなかった。
「おはようございます!」
その姿に見とれた僕は気がつくとその女性の前に立ち挨拶をしていた。
「あら、おはよう。綺麗な金髪に青色の瞳ね」
僕の容姿は父の髪色を受け継ぎ、母の瞳の色を受け継いでいる顔つきは中性的で母に似ている。
「ありがとうございます。お姉さんは誰なの?」
「私?ふふふ鑑定してみるといいわ」
お姉さん野言う通り【鑑定】使うことにした。
【精霊女王】
精霊を統べる王の一人。
名前が見えなかった。名前を持つ者であれば鑑定で名前も分かるしスキルも覗けるはず、それなのに所有者スキルも分からなければ名前すら分からなかった。
「ふふふ、私には名前がないのよ。それに鑑定は相手の許可がなければ相手の説明しか分からないし、相手のランク位しか分からないものよ」
なん、だと。ランクすら見えない欠陥品じゃないか……
「そうなんですね」
今の僕は誰から見ても落ち込んでいるように見えるだろう。
「面白い子ね、貴方が創造神様の言っていた子ね。しばらくお世話になるわ」
そう言って、精霊女王は姿を手のひらサイズにして僕の肩に乗った。
「そろそろ帰らないと両親起きちゃうわよ?」
僕は急いで家に帰り部屋に戻った。
★☆★
部屋に戻ると、シラユキはまだ寝てたので起こす事にした。
「ソーマ様、なぜこの雌ブタが居るのですか!?私の身体だけじゃ物足りないんですか!?」
シラユキ、言い方が良くないよ。僕は君を撫でることはあるけど君は猫だ。人型ならまだしも君に欲情はした事ないよ。
起こすの間違いだったかも?
「あらあら、そう怒らないで?私もソーマ君の事好きになっちゃったの」
やめてください、修羅場に巻き込まないで。
「ソーマ君ですって?気安く私のご主人様を君付けで呼ばないで」
その声はいつもよりも低く少し怖かった。
だが僕の表情は
「ソーマ様もニヤニヤしないでなんか言ってくださいよ!」
「ソーマ君、ニヤニヤするのは今じゃないわよ?」
意味ありげな発言をする精霊女王。
いやぁ、ラブコメをここで味わえるとは…
ぐ、ぐへへ
危ない、変な顔するところだった。
「あ、そうだわ!私に名前を付けてほしいの」
急に閃いた!と言わんばかりに、二人の会話も少し静かになったと思ったらいきなり名前を要求された。
【あとがき】
ハート、フォロー、星して頂けると嬉しいです。
ソーマ君はHENTAIじゃないです(たぶん)
あれは変な夢なので、まだソーマ君は自由に外へ出ることはないですね。
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