第4話 始原の幻獣

村の外がやけに騒がしく、またもや村長に担がれ連れていかれた。


「サユリちゃん久しぶりじゃん!」


そこには金髪ギャルがいた、制服を着てネイルをつけた美女がいた。


「うむ、久しぶりじゃの」


「この子サユリちゃんの子供!?もしかして旦那さんとか居るの?そっか、うんサユリちゃんにも春が来たんだね。お姉さん嬉しいよ」


僕らを置いて会話が進んでいく、その流れに僕は乗れずにただ眺めているだけだった。


「リサ姉この子は、妾の子ではないマスターの子孫の子じゃよ」


「というと、ウルとグランの子供って訳か。へ〜可愛いーね」


どうやら、ダンジョンに行っていた御先祖様の中に両親を知っている者がいてその人の御先祖様が村長のマスター?らしい。


話についていけずその後も、周りで色んな人が会話を始める。そこに僕だけがついていけず何処か遠くを眺めていた。


「お!マスターなのじゃ!」


しばらくすると幼児退行した村長の姿があった。


「久しぶりだね、サユリ」


呼び捨てで村長を呼んだ彼は、黒髪黒目でスラッとした落ち着きある青年がいた。


「久しぶりなのじゃ!マスター!」


この、小学生が村の創設メンバーの一人だそうです。


「お、そこの君は転生者か」


「おぉー分かるんですね」


内心すぐバレてヒヤヒヤしています。この世界で異世界人はレアではあるけどそこそこ居るのか?


「この村がおかしいだけじゃよ。あんしんせい」


「あの、心読まないで村長」


暫くすると、騒ぎも落ち着きリサ姉、マスターと呼ばれた二名と抱き抱えられた僕で村長宅へ行くことになった。


残った人達はひとまず村の外で待機だそうだ。村外って結構魔物がいて危ないって聞いたんだけど…まぁ人数いるし安全なんだろう。



「ふぅ、久しぶりに帰ったけど特に変わったことはないね良くも悪くも」


「えぇ、そうね。この村は、いえこの世界はあまり発展させないようになってるから、私達がそんなことすれば消されかねないわ」


「うむ、そうじゃな創造神様はあまりこの世界の発展を望んでないようじゃ。まぁ発展すればするほど戦争がしやすくなる訳じゃ他にもあるが、このままの方が良いと考える方じゃからの」


この、真面目な会議の中に3歳児を放り込まないでほしい。


「そうそう、僕達ダンジョンマスターになれたよ。一応権限は僕達が持ってるけどみんなダンジョン攻略の報酬で肉体を手に入れたからやっと国が作れるね」


「うん、そうね。私達は死ぬはずだったけれど私達より後の村の人達に害をなそうとする国がいる限り国を作るべきね。騎士団も作れるし」


「うむ、騎士とは言うが皆、型を持たぬがな」


「まぁ、そうだね。この世界じゃ国を創るのに創造神様の許可が必要だからね。それに騎士団か…たしかに皆が騎士になるとは言えど使う武器も流派も違う、でもそれでいい、それが僕達だから」


僕を含めた4人がしばし椅子に座って特に変化も起こさず話を再び始めた。


「そういえば、ソーマ君は創造神様の名前って聞けたのかい?」


「はい、一応聞けました。またねって言われて、それで気がつくと母さんに抱き抱えられてて」


もう3年も前になるのか、早いようなもっと昔だったような…


そういえばあの時の猫は助かったのだろうかどうなんだろう?


「にゃ〜お」


「ねこ?」

僕が少し後ろを振り向くと、そこには前世に助けたような白く美しい猫が居た。その猫はどこか神々しく見えた。


「む?この家は今戸締りしておるはずなのじゃが?」

そう言って可愛く首を傾げる村長。


「いや、この猫は幻獣だね。おそらくソーマ君が助けたって言う猫と関係があるんじゃないかな?」


「よかったね!鶴の恩返しならぬ猫の恩返しだよ」


少しづつ近寄って来る猫、その姿に見とれているとつくえに乗ってきた。


「お久しぶりですね、ソーマ様。あの時の恩を返しに来ました」


猫神様?が口を開き、話を始めた。それに驚きアワアワしていると猫の頭上からホログラムのようなものが出現した。


『久しぶりだねみんな。二人はダンジョン攻略おめでとう。村長も、久しぶりだけどちょくちょくこの村は覗いているんだよね。それと本題なんだけど──────』


そう言って伝えられたのは、



『この子は、始原の幻獣と呼ばれる幻獣の一体なんだけど、君に恩返しをしたいらしいんだ。』


詳しく聞こうと思ったがそれ以上は特にないらしいので、質問はそこで辞めた。


「えっと、僕はどうすれば?」


「ソーマ様、主従契約をお願いします」


『うん、ソーマ君は今から行う事に受け入れるって念じればいいよ。悪いようにはならないから』


"受け入れる!!”


すると、僕と猫とナニカ見えない繋がりができるのを感じた。


「えっと今更だけど何て呼べばいいの?」


『この子達は名を持たないから好きに呼びといいよ』


「それじゃあ、シラユキ」


「えぇ、私はシラユキです。どうぞよろしくお願いします」

そう言い、頭を下げる白い猫。



僕の異世界ライフはこれからどうなる事やら



【あとがき】

この村の人達はみんな強いです。危険度MAXがSですが、たまにそれ以上の人も居ます。


御先祖様達は基本危険度:Aです。


この村の子供達はCとかそれ以外です。



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