第3話 ダンジョン攻略

【スタンピード】

魔物達がダンジョンから溢れ出すことや、何かに追われた魔物達がその生息域から多くの魔物が出ていくこと。


「これまでも、間引きをしていたしどういう事なんだろうな?それよりも村長がいつもよりテンションが高いんだが何か知ってるか?」


「ん〜分からないわ、でもあの人の事だから何かこれからいい事が起きる予兆なんじゃないの?」


この村の村長……それは


「たのもー!妾がやって来たぞーソーマは居るか?お!居るではないか。よーしよしよし」


今俺を抱っこして撫で回しているロリババアこそがこの村の村長だ。


「それじゃ、ソーマ借りてくのぉ!」


「えぇ、わかったわ」


母さん、そこは止めるべきだと思う僕はまだ3歳ですよ?この村長に任せてたら僕の身が耐えられません…



「村長、僕を連れ出して何をするっていうの?」


「む?お主転生者じゃろ?」


あの、話が噛み合ってないです。なんで分かるんですか、怖いですよ。


「そうですけど、それが?」


「久しぶりにこの村で転生者が現れたのでな少し話がしたかっただけじゃ、それとこの村の成り立ちを教えようと思ってな」


この村の歴史は、7歳になると学校で教わるので別に今すぐ知りたい訳じゃないが折角なので村長から教わることにした。


村長宅につき、村長の膝の上に座らせられて村長がお菓子を今頬張っている。


僕は大人しくジュースを飲んでいます。


「うむ、それでは───」


この村ができたのは約300年程前。


この村を作った御先祖様達は、魔王討伐後に魔王認定された勇者そんなテンプレのような英雄や勇者達。そんな人達は人々との関わりが嫌になり国を去っていった。


そして、この村のある周辺の森は終焉のラグナロクと呼ばれており個体によってはS級と呼ばれる国が対応すべきレベルの魔物が闊歩している森だ。


英雄や勇者達はこの森を隠れ蓑にして村を築き上げた。


村長もその時代の一人だそうだ。


そして、その英雄や勇者達は死に次世代へとそして更に次の世代へと渡っていき今では200人ほどの規模の村となっている───



「へーすごいね」


「うむ、それでなその死んで逝った者達の魂はラストダンジョンに向かいその魂がラストダンジョンがスタンピードせぬように管理しているのじゃよ」


つまり、死してなおこの村の人達は英雄であり勇者でありその末裔達もその任を受け持っていると…


ラストダンジョンガスタンピードを起こしたら世界が魔物達でいっぱいになるほどで世界中の国も存続できるかどうかのレベルらしい。


転生して三年目で知るような事じゃない気がするがまぁ、知識はあるだけいいからね。


「それで、そのラストダンジョンの調子がおかしくてな…」


「それってやばいよね?」


「うむ、本来であればな。じゃがあれから300年待った甲斐があったの」


どういう事だ?


「ラストダンジョンが攻略されるのじゃよ」


「はい?」


本当に意味がわからない、僕に攻略してくれっていう依頼を村長が出して僕がこの村に英雄になるっていう流れが僕の中で流れたんだけど、勝手に攻略しないでください。


「魂だけとはいえ彼らは英雄であり世界の危機を救った勇者やその末裔達じゃ、例え肉体は無くてもその魂だけで攻略する事は可能じゃよ、たぶん。」


「それって御先祖様達が魔物になってるってこと?」

レイスと呼ばれる霊体の魔物がいるのだがそれになっているのだろうか…


「いや、創造神様に神霊と呼ばれる高位な聖獣にしてもらっておる」


話を聞いていくと分かったのだが、僕が転生時に出会ったルーク様が御先祖様達に依頼をしたらしい。ラストダンジョンの攻略及び管理を、そして本来ダンジョンから漏れ出るはずのない魔物がダンジョンから少数出ようとしたり出てくる事はダンジョンが攻略された事を示すらしい。


「そして、その神霊はダンジョンマスターと成る。創造神様からの依頼報酬は国を、創ること自分達だけの国を作り他国からの干渉を防ぐというものじゃ」



どうやら、僕や僕を含めた子供は知らない話になるがこの村のことは他国の王侯貴族達から認知されておりこの終焉のラグナロクを攻略しその中心部にある村をめざしているようだ。


たしかに、村という小さなモノよりも国という強固に見える立場の方が便利かもしれない。


「ダンジョンマスターとなれば肉体も手に入るから自由に動けまわれるという訳だ。かなりの人数がこの村に来る事になるのぉ」


どこか懐かしむように語る村長。


そうか、村長はずっと待っていたんだ嘗ての仲間やこの村に住みダンジョンへと向かった者たちが戻ってくる事を。


「楽しみだね、家をもっと用意しなくちゃ」


たしか、580人ほどいるらしい……その一人一人がS級以上の力をもっているらしい。


国家戦力が数百人だよ?ぼくこの世界で俺TUEEEEしたかったんだけどこれじゃ無理そうだね。



僕は大人しく自由に暮らせたらいいかな。



ふっ、これでフラグは建てたぞ。


それにしても、楽しみだなぁ580人全てに教えを乞うたらすごく強くなれそうだ(?)


「村長!」


何やら慌ただしい様子だ。


「戻ってきたようじゃな」



こうして、僕も村長に抱えられて帰ってきた英雄達の元へと行くことになった。



【あとがき】

村長は黒髪黒目です。エルフじゃありません。


応援よろしくお願いしますm(_ _)m

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る