書いたけどやめた話


近況ノートを日記として使っていた頃、書いたけど公開しなかった話ってのがたくさんある。


たくさん…結構ある。ギリ、思い止まった。


そういうのは大体愚痴や言い訳が多い。


「思いの丈を綴ってみたけど、不適切だったかな?」


「自分からこんな事言いだすのカッコ悪いな」


「人によっては不快に思うだろうし、これで笑うのは自分だけかも」


など、思い止まる理由は多々ある。


が、普通だ。


普通の理由だ。


思い止まる理由なんてこの程度なのだ。


「いい歳してそんな話、しない方がいいよ」って程度なら、むしろしちゃえばいいじゃん。とも思う。


「今更そんなペンネームで、何を体裁を取り繕っているのだ」、と。


「見苦しい」とか「みっともない」って言葉が似合う男であればいい。


日記なんだから。


てなわけで公開。





こんな話を自分で言い出すのもみっともないとは思うのだが。


「手コかれざる者抜くべからず」には頭を悩ませた。


書いてるうちに「あれ?あれ?」と思いながら、何度も修正を試みる。


「こんなはずでは」と思いながら、中編を書き終えた。


後編を書き上げてからも公開せず、「おかしいな、おかしいな」と修正を繰り返す。


この作品は結末まで大体決めてから書き始めた。


ちょっとしたネタを付け加えたくらいで、ほぼほぼその通りに書き上げた。


それなのに自分の「思ってたのと違う」作品になってしまったのは何故なのか。


後編を直している時にようやく、自分の目的と作品の乖離に気付いた。


自分はこの作品をもっとポップに書きたかったのだ。


同じネタでも、文章や表現をもっと柔らかくぼんやりさせておかなくてはいかなかったのだ。


書き始める前に自分の目的に気付き、それに向かって筆を進めなくてはならなかった。


「この作品をどうしたいのか」について答えを出しておかなくてはならなかった。




「何故思い通りにならなかったのか」の答えが出た以上、「今更後編からなんてもう直せないからいいや」という気持ちになって完結する事が出来た。


ある意味スッキリしている。


経験上、難産な作品は上手くいかない事が多く、そういう場合はどこかで大鉈を振るう必要があるのだが、この作品の場合はもう取り返しがつかない気がしたのでもうしょうがない。


“間違えちゃった”作品ではあるが、時間が経てば自分の考えが変わって「これでよかった」になるかもしれない。


まぁーどのみち自分の実力では大体の作品が「思ってたのと違う作品」になってしまうのだ。


とりあえず完結出来てよかった…としておこう。




10/26現在、上記の「公開しなかった文章」を読み直して思う。


あんなモンをポップにして、どんな完成品を想定していたのだ。過去の俺は。

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