35話 無意味な戦い

……この男性を見た時、私と同じなんだって…すぐ気付いた。私と同じように悪魔王の器

なんだって…。


でも、ただ一つだけ違ったの。それは実力…、一目見ただけなのに…圧倒的な実力を私は

肌で感じた。


私なんかより全然強い事に気付いたから、

戦いたく無かった…とは別に理由もあるけど。




私も少し前に天使に襲われた…、その時は…

多分凄く弱い天使だったんだ…戦闘に関する

超能力を持っていない私でも簡単に勝てて…

天使がこの世界を滅ぼそうとしてる事を…私は

知ってしまった。


この世界が滅ぼされる原因は七つの大罪って

言われてる…悪魔王達だった。

まぁ…私にとってそんなのどうでもよかった。



そんな時に、この人を見かけて…私、この人が天使達とずっと戦ってた事に気付いた…いや、

気付いたのは私じゃなくて…私の中にいる。




【アスモデウス】



アスモデウスが…この人は天使と戦ってるって言ったから…余計に戦いたく無かった。




私はそんな思考を頭の中で巡らせながら、

目の前の男性に攻撃を仕掛け続けていた。


でも、私の攻撃は全部が簡単に避けられて…、

隙だらけの筈なのに…この人は私に攻撃を

仕掛けてこない…。


そんな目の前の事実に私は怒りを覚えていた。



そして…私は攻撃を辞めて、叫んだ。



「何で…!何で…避けるだけなの…?私は真剣なの!なのに…貴方は!」


そんな私の叫びに…この人は、淡々と言った。



「何でだろうな、お前の事は殴る気になれない

…今までの俺なら遠慮なく殴ってた、でも…

それでもお前の事は殴る気になれない。」


…そして俺は一拍を置いて言った。



「それにお前、悩んでるんだろ。」


「ッ…。そんな…こと。」


「お前の攻撃は迷いだらけだ。俺は最近戦ってばっかだったからな…俺を殺すっていう迷い無い殺意しか受けなかったからな…、お前が何か迷いながら俺に攻撃してきてる事位分かる…、

だから避けやすいんだよ、迷いだらけの攻撃はよ…。……お前、何を迷ってる。」


「ッ…、全部…、全部!貴方の妄想よ!私は何も迷ってない!」



そう…叫びながら、私は男性の顔目掛けて…

拳を突き出した。



「グッ…。」


「…え?」


私の拳は当たっていた…。

当たると思ってなかった…、また避けられる…と、そう思っていたのに…私の拳は。


当たっていた。




「…な、何で避けなかったの…?何で…。」


「避けれなかった…ただそれだけだ。それとも

何だ?…また避けられたかったのか?」



そんな言葉を俺が吐いた瞬間、目の前の女…、

いや、女性は再び俺に拳を突き出していた。





当たる…当たる…当たる…当たる。


目の前の男性は私の拳を避ける素振りすらもう見せてこない。…ずっと、頭の中が疑問符で

埋め尽くされてる。何で避けないのか…私には知る由もない。だけど…何故だろう、私は

決意を固めた筈だった、目の前の男性を倒すと決意したのに…、目の前の男性を殴る度…、

心がズキズキと痛む…。



そんな思考で私の頭が埋め尽くされた…、

そんな瞬間、私の拳は久方振りに止められた。



「ようやく分かった気がするぞ。」


男性は得意げにそう言って…少し下がった。



「……やっと、避ける気になったの…?」


「違う。」


「じゃあ…なに?」


「この無意味な戦いをようやく終わらせれると思ってな…。」


「何言って…。」


そんな私の言葉を遮る様に、目の前の男性は

言った。




「先にこの無意味な戦いを終わらせよう。」


その言葉に私は身構えた…が、目の前の男性は

殴るでも、蹴るでもなく…ただその言葉を…。



【紡いだ。】



「お前が今俺に抱いている怒りと罪悪感…、

全部ぶつけろ。お前が満足するまで…な。」


と…。











突然すいません!!

タイトルとキャッチコピーを変えました!!

気にせず読んでくれると助かります!

後、タイトル前の方がよかったなーっていう

意見は歓迎です!アドバイスお願いします!












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