二章 黎明期

15話 幕開け

一ヶ月後、俺と由梨はあのファミレスにいた。



「どう?ベルフェゴールの器見つけた?まぁそんなに期待してないけど。」


「ベルフェゴールの器は見つけた。」


「え…?」


「生徒会長やってたぞ。」


「いや、え…?本当に見つけたの?」


「嘘なんてつかねぇよ。何で疑ってんだよ。」


「なんとなく…。」


「ふざけんな。」


「本題だけど、敵…だった?」


「全然敵じゃなかった、あいつは良い奴だ。」


「それなら良かった…。でもここにいないって事は仲間には…。」


「それに関しては…。」


「いや!言わなくて良いの!そこまでは期待してなかったから。」


「いやだから…。」


「流石に仲間にはなれなかったよね…。」



…………。


「……おい、話を聞けあばずれ。」


「は…?」


「あいつは俺達の仲間になった。」


「じゃあ何でここにいないの!?」


「お前…俺を何処に潜入させたか覚えてないのか…?」


「学園……。あっ。」


「……今何時だ。」


「朝の8時…。」


「……あいつは今、学園だ…あばずれ!」




___________。


「…すいませんでした。」


「分かれば良い。」


「でも、怒ったら私の事あばずれって呼ぶの辞めない…?」


「俺を怒らせなきゃ言われねぇよ。」



そうして俺と由梨はお互いが経験した事を言い合った。



由梨も滅悪教に潜入して色々大変な事に巻き込まれたみたいだ。


正式な滅悪教の人間じゃないのがバレたり…。

ヤバい奴らに戦いを挑まれたり…。



「お前も色々あったんだな。」


「そうだよ…、大変だったんだよ。」


「結構話し込んじまったな、もう12時だ。じゃあ、俺に着いてこい。あいつに会いに行くぞ。」


「あいつ…?」


「ベルフェゴールの器だ。」


「あ、分かった。」



そうしてファミレスの会計を済まし、俺達は跳躍した。



ビルとビルの間を飛びながら学園に向かって行った。


「というか由梨、お前空飛べるだろ。」


「あ、そういえばそうだった。よいしょっ!」



そう言って由梨から生えた羽は翠とピンクの羽だった。



…容姿だけなら綺麗なんだけどな、あいつから生えてるの蝿の羽、だもんな…。きめぇ…。




10分程で俺達は学園に着いていた。


いや、正確には学園ではなく…学園近くにある公園の噴水広場。



「ここって学園じゃなくない?」


「あいつが言ったんだよ、ここって。」


「何処で待っとくかよね…。」







「…もう着いてますよ。」



「お、霞…もういたのか。」


「うん、業魔も来るの早いね!」


「挨拶は程々にして、俺の横にいるこいつが…水瀬由梨、こいつも俺達と同じ七つの大罪の悪魔に器として認められてる奴だ。」


「あ、よろしくね。霞君…?」


「はい、よろしくお願いします…。というか、そんなに畏まらなくていいですよ。2歳しか変わりませんし。」


「え…?じゃあ18歳?」


「はい。」


「若い……。」


「おい、何落ち込んでんだよ。さっさと立ち直れ。」


「最近肌荒れてきたし…18歳の頃に戻りたい…。」


「俺は24歳だぞ。俺の目の前でそんな事言うか?」


「あ…、悪気はなかったわ。」


「死にたいみたいだな。」


「まぁまぁ、二人とも落ち着いて。」



そんなこんなでこの場に七つの大罪の内3人が揃った。


傲慢 業魔


暴食 由梨


怠惰 霞




「2人共、凄く仲良いんだね!」


“良くねぇ!!!”














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