十話目 潜入捜査の開始
視点は業魔に戻る…。
夕方5時頃、俺は家に戻り休息をとっていた。
そんな時、スマホから通知の音が鳴った。
…誰からだ?
LINE内の会話
【由梨】
少し話があるんだけど、今いい?
【業魔】
構わない
【由梨】
今日の午前2時頃に滅悪教の人間から襲撃された。
【業魔】
お前もなのか…?
【由梨】
業魔もなの?
【業魔】
あぁ、俺もさっき襲撃された。しかも数百人規模で…だ。
【由梨】
数百人!?
【業魔】
あいつらは俺達が悪魔に寄生されてる事を見抜いてた。
【由梨】
うん、私も悪魔に寄生されてるって言われたし…
【業魔】
俺の時は滅悪教の中に悪魔に寄生されてるかされてないか見分ける人間がいるって言ってたな
【由梨】
それが本当なら私達、悪魔に寄生されてる事が見破られてるって事でしょ?滅悪教と戦うことにならない?
【業魔】
そんな事に巻き込まれるのだけはごめんだぞ
【由梨】
私も嫌よ、魔界とこの世界を繋ぐゲートを閉じた人を探さないといけないのに…
【業魔】
…ここで話しても無駄だな、昨日行ったファミレスに明日、昼の12時に来い
【由梨】
分かった、また明日
…こいつ、LINEだと凄く頭良さそうなんだけどな。実際あれだからな。
“翌日”
「遅い、10分遅刻だ。」
「…10分位よくない?」
「…遅刻した理由は?」
「寝坊…。」
「謝れ。」
「ごめん…。って謝る必要ある?」
そんな私の言葉を無視して業魔は喋り始めた。
「昨日滅悪教の奴等に襲撃された。正直言って滅悪教の奴等にずっと狙われていたらベルフェゴールの器を探すのは至難の業だ。」
「…そうだね。どうする?」
「滅悪教が俺達に関与しないのが一番良いんだけどな。」
「それはそう。」
「滅悪教が壊滅状態にでもなれば、俺達に対する襲撃は終わるだろうがな。」
「もしかして、私達が襲撃するつもり…?」
「そんな馬鹿な事する訳ないだろ。どれだけ強力な個だったとしても、滅悪教はこの街にある支部だけでも人数は10万を超えてるんだぞ。俺でも流石に勝てない。」
…そんな言葉を発した瞬間、サタンが口を開いた。
(そんな事はない。)
(なんだよ、今は話しかけんなよ。)
(…貴様が我の力を三割でも発揮出来れば10万の雑兵など相手にもならん。)
(お前、人の話そこまで聞かない奴だったか…??)
(そう言うけどよ、俺が仮にお前の力を三割以上に使えても、滅悪教を襲撃はしねぇよ。)
(何故だ。我の邪魔しかしてこん奴等を野放しにしておくと?)
(自ら悪名を轟かせに行ってどうすんだよ。俺は悪になりてぇ訳じゃねぇんだよ。)
(度胸のない奴だ。)
(てめぇ…俺がてめぇらの目的を手伝ってやってるって事、忘れんなよ…?)
「…業魔、聞いてる?」
「わるい、なんも聞いてなかった。」
「はぁ…、もう一回言うよ?私が滅悪教に入るから。」
「は…?」
「私が滅悪教内部にベルフェゴールの器がいないか探すから、業魔は少し離れた街にある滅悪教育成学園にベルフェゴールの器がいないか探しに行って。」
「俺に学校に入れと…?俺もう20歳超えてるんだが?24なんだけど。」
「まだ行ける。見た目不登校の高校生くらいだから…って、私より歳上じゃん…。」
「歳上は敬えよ由梨。」
「じゃあそういう事でいい?私は滅悪教、業魔は学園。一ヶ月後の今日にまたここに集合ね。」
そう言って、由梨はファミレスから出て行った。
そこで俺は疑問が思い浮かんだ。
…あいつ、どうやって滅悪教に入るつもりだ?
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