七話目 目的の無い戦いの幕開け
(ベルフェゴール、だと…?)
(それしか考え付かん。オーラを隠蔽出来るとしたらあやつしかおらん。)
(ベルフェゴールの力は周辺にいる全ての生物の力を一時的に奪うんだろ?その力でどうやってオーラを隠蔽するんだよ。)
(理解力が乏しい…。はぁ、説明してやろう。貴様も我も、特定の人物のみオーラを感じる力を奪われているのかもしれんのだ。)
(…そういう事か。)
サタンが俺に寄生したからか、俺の目には悪魔が纏っている黒いオーラが見えるようになった。ベルフェゴールはその力を特定の人物だけ見れないように俺から奪っているのかもしれないのか…。
(小僧、まずはベルフェゴールの器を見つけろ。そして敵だったらなんとしても屈服させろ。)
(敵だったらな、でも何で屈服させる必要があるんだよ。)
(もし、ベルフェゴールが我等を裏切っているのだとしたら許せんのだ。)
(…?まぁいい。当分の目的は決まったしお前はベルフェゴールの器と俺が接触した時だけ、言え。)
(我に命令を下すなど、傲慢だな小僧。)
(だからてめぇの器なんだろうがよ。)
そして視点はファミレスに戻る。
「そろそろ食べ終わったか?」
「はい!美味しかったですね!」
「そうか、良かったな。」
「というか、遅くなり過ぎましたけど自己紹介しませんか?」
「…別にいいぞ。」
「じゃあ私から。私は
「あぁ、よろしく。」
「じゃあ、次は貴方が!」
「名前を教えるつもりはない。好きに呼んでくれて構わない。」
「…卑怯じゃないですか?」
「どこが。」
「全部です!最初から最後まで!」
「名前を言うなんて一言も言ってないしな。」
「……ま、まぁいいですよ。なんて呼んでほしいとかありますか?」
「なんでもいい。」
「…じゃあ、傲慢の悪魔をもじって
「業魔か、いいんじゃないかそれで。」
「なんでそんな興味なさそうなんですか…。」
「俺の名前じゃないしな。」
「…業魔の事、少し嫌いです。」
「好かれたいわけじゃないしな。」
「もういいです!今日は帰りましょう!」
そして、由梨が会計を済ませた。
合計は三万を超えていた。殆どがこいつの食事代だった。
イかれた胃袋だ…。
そうして、俺達はファミレスを出た。
外で俺は由梨に共通であろう目的を伝えた。
「1つ言わなければいけないことがある。」
「…?」
「ベルフェゴールの器を探せ。見つけたら俺に連絡しろ。…まぁ、後はベルゼブブに聞いとけ。」
そうしてスマホの連絡先を交換した。
水瀬由梨 (知的アホ)
登録。
よし。
「言った通り、詳しい事はベルゼブブに聞け。じゃ、またな由梨。」
そうして帰路についた。
………もう、20時か。家に帰って、寝るか。
それ以外することないしな。
はぁ…、なんでこんな面倒くさい事になったんだ。サタンに寄生されて、悪魔倒して、ベルゼブブの器と連絡先交換して、次はベルフェゴールの器を探す…。
当分はベルフェゴールの器を探すので忙しくなるな、まぁ予定なんてものはなかったからいいけど…。
俺の目的って、なんなんだろうな。
悪魔をとんでもなく滅したい訳でもない。
滅悪教に入りたい訳でもない。
勝手に七つの大罪達の事情に首突っ込んで、俺は一体何がしたいんだ…?
まぁ、考えても無駄か。
ゲートを閉じた奴を倒す事が俺の目的になったら良いんだけどな。
取り敢えず今はベルフェゴールの器を探す。
その後に、俺の目的を探せば良い…。
……早く帰って寝よう。
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