四話目 面倒事に巻き込まれる日
サタンからの忠告を受け、俺は現実に戻ってきた。
「もう朝か。」
さっきまであいつと喋ってたせいで寝た気がしねぇ。
そうして俺は起き上がり朝飯を食おうとした…が、冷蔵庫の中に何も入ってないことに気づき近くのファミレスに行く事にした。
…はぁ、10月だからか…朝は冷えるな。
そう思考しながら俺は近くのファミレスに入った。
…何食おうかなー、これでいいか。
そうして俺が頼んだのはフレンチトースト。
数分が経ち、届いたフレンチトーストを頬張った瞬間、店内に雄叫びが響いた。
雄叫びの方向を見ると、悪魔に寄生されたであろう人間が暴れ回っていた。
イラッ。
次の瞬間には超能力を発動して悪魔を屈服させていた。
「…人が朝食食ってる時に来やがって、死ね。」
ここから先は昨日と殆ど同じだった。
蝿の姿をした悪魔は自分自身の手で首を捩じ切り、転がった頭を俺が踏み潰した。
そして、朝食を済ませ金を支払い家に帰ろうとファミレスを出た瞬間、目の前から車が突っ込んできた。
イラッ。
その車を受け止めイラついてた俺は車を投げ飛ばした。
後々分かった事だが、その車に乗っていたのは悪魔に寄生された人間だったらしい。
おかげで俺はお咎め無しだ。
車を投げ飛ばした俺は更にイラつきながら家に帰ろうとした…が。
ファミレスから数十m歩いた所でスマホを奪われた。所謂ひったくりだ。
…悪魔だけじゃなく、人間にも迷惑を掛けられるなんてな…。
しかも家とは真反対の方向に逃げやがって…。
イラッッ。
走って…俺はひったくり野郎に追いつき、一発ぶん殴ろうとしたが、今の俺の腕力は普通の人間の数倍だという事を思い出し、首元を掴むだけで…それ以上は辞めた。
そんなこんなでひったくり野郎を警察署まで、引き摺りながら連れて行った。
途中で何か言っていた気もするが、ひったくりしたんだ、自業自得だろう。
_______。
警察署に引き摺って行ったせいで、俺も事情聴取を受ける羽目になり、ファミレスで飯を食ってから数時間が経っていた。
もう11時かよ。
…俺はいつになったら家に帰れるんだ。
そんな思考をしながら俺は警察署を出てもう誰にも迷惑を掛けられたくないが為にその場で跳躍をしてビルの上に着地した。
「…ここなら面倒事には巻き込まれないだろ。」
…そう言葉を零したのが駄目だった。
そのビルの屋上では悪魔に寄生された人間と滅悪教の人間が戦っていた。
滅悪教の人間が一瞬で俺の存在に気付いて、滅悪教の男が叫んだ。
「君!逃げるんだ!」
だが、遅かった。
悪魔は既に俺に狙いを定めていた。拳が目の前に迫って来る…そうして。
その拳が俺を襲う…訳ないだろう。
「超能力・傲慢…。死ね、雑魚が。」
次の瞬間、蝿の姿をした悪魔は自分自身で首を捩じ切った。
その光景を見て、滅悪教の人間は言った。
「君は何者だい?」
その言葉に俺は…。
「黙れ。」
そう言って別のビルに跳躍した。
もう何も言わん。面倒事に巻き込まれ過ぎだ。
今日はなんなんだ、今日って厄日だったか…!?
もういい、早く家に帰ろう。
そうして、家の前まで俺は戻って来れた…が、
家の前でナンパをしている男がいた。
イラッッッッ。
「ねぇ君、可愛いね。一緒に遊ばない?」
「すいません、友達待ってるので…。」
「こんなボロアパートの前で…?良いじゃん行こうよ。」
「や、辞めて…!」
その光景を見て俺は、ナンパしてる男の顔面目掛けて拳を放って殴り飛ばした。
…何故殴り飛ばしたのか。悪魔に寄生されていたからだ。
サタンに寄生されてから悪魔に寄生されている人間が分かるようになってしまったんだ。
そうして、ナンパされてた女を見て言った。
「さっさと帰れあばずれ。」
そう言った瞬間、頭にサタンの声が響いた。
(…逃げろ、その女がベルゼブブの器だ!)
と…。
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