三話目 王からの忠告

悪魔と戦うなんていう面倒事を片した俺は自宅に帰宅して、飯を食おうと思ったが…食欲より睡眠欲が勝ち、すぐに眠りについた。




_______。


「…ん、ここは…。」


「……小僧。」


「はぁ、またお前か何の様だ悪魔野郎………、ってその姿は……!」


「この姿はあまり気にするな。…我は貴様に

忠告をしてやろうと思ってな。」


「は…?忠告…?俺に……?」


「貴様以外誰がいる…そんな事より、貴様は

近々、我の同胞と相見える可能性がある。」


「お前の同胞?誰の事を言ってやがる。」


「七つの大罪の一体…蝿の王ベルゼブブ。」


「蝿の王…?」



昔…変なもんを調べるのが好きだった時調べた気がする…、悪魔の頂点に君臨しているのは…一体だけじゃない…。




【七つの大罪】

七つの罪や欲を抱えた悪魔達の王。



今、俺と会話をしてるこの悪魔が

傲慢の罪を抱えているサタン…。


で、相見える可能性があるのが

蝿の王…ベルゼブブ…。



なんでこんなに面倒事に巻き込まれるんだ。


いい迷惑だぞ。




と言うか、待て。



「おい、ちょっと聞かせろ。」


「なんだ小僧。」


「お前と、ベルゼブブがいるって事は他の

七つの大罪もこの世界にいるのか…?」


「他の同胞が我と同じ様にお前のような器を見つけられたかは知らんが、この世界に存在はしているだろうな。」



七つの大罪が全員この世界にいるだと…?

悪魔達の王だぞ…?一体いるだけでも多分

大問題だろ…、それが全員いるって…世界

滅ぼす気かよ…こいつら、ふざけんなよ…。



そんな思考を頭の中で巡らせていると…サタンが口を開いた。




「少し、貴様ら人間は我ら悪魔に対して誤解があるようだな。」


「…どう言う事だ。」


「悪魔はこの世界で生まれた存在ではない。

多くの罪を犯してしまった悪魔が、魔界から

この世界に追放されたのだ。」


「魔界…?」


「この世界とは別の次元に存在する世界だ。

こうして話さなければ貴様ら人間は魔界の存在を認識する事も出来ん。」



…確かに、この話をされるまで魔界なんてものがあることすら考えもしなかった…。



「…おい、じゃあお前ら七つの大罪も魔界から追放されたのか?」


「そんな訳ないだろう。魔界を納めているのは我等だ。我等七つの大罪は自身の意思でこの世界に来たのだ。」


「じゃあなんでこの世界に来やがったんだ。」


「魔界を実力で支配したはいいが、ここ数百年暇でな。この世界を支配しようと思った。所謂暇つぶしだ、小僧。」


「暇つぶし…だと?てめぇ!!」



…お前らの暇潰しのせいで、俺は…!




そうして…さっきから俺の姿で喋っている

サタンに拳を突き出した…。



瞬間…。



「調子に乗るなよ、小僧。」


そんな声が耳元で聞こえて…気付いた時には…

俺は宙をまっていた。



クッソ…見えなかった。そんな思考をしながら

俺は体制を整える暇も無く地面に衝突した。



「ッ…。」



「安心しろ小僧、我は貴様の物語を最後まで見たくなったのだ。この世界を支配するのは今はやめだ。」


「この我儘野郎が…。」


「勝手に言っておけ。」


「……。」



「話を戻すぞ。貴様はベルゼブブの器と相見える可能性がある。ベルゼブブの器がもし…、

襲いかかって来るのならば逃げろ。」


「…は?」


「敵として相見える事は万に一つも無いと思うが敵として相見えるのなら逃げろ。死ぬぞ。」


「なんでてめぇにそんな事が分かるんだよ。」


「はっきり言うが、貴様が引き出せている我の力は1割にも満たん。仮にベルゼブブの器が同じ1割程度の力しか引き出せないのだとしても貴様は負ける。」


「なんでだよ、戦う土俵は同じだろうが。」


「七つの大罪は単純な実力なら平行線だが、

超能力だけならベルゼブブに敵う奴はおらん。あやつの力は空間に直接関与するものが多いのだ。」



そんな事実に少し動揺していると、サタンが言った。



「ようやく見つけた器が貴様だ。失う訳にはいかん。ベルゼブブの器と出会ったら言ってやる。その時は全力で逃げろ小僧…。」


「意外と優しいじゃねぇかよ。」


「殺すぞ小僧が。」




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