二話目 蝿の王
…超能力、それは悪魔が持っている不可思議な力。
火を吹く超能力、水を操る超能力、
風を操る超能力、天候を操る超能力。
そんな、様々な力を悪魔は持っている。
滅悪教はそんな悪魔由来の超能力を使い、悪魔に寄生された人間を滅している。
だが、説明がつかないと思う奴もいるだろう。
先程、ビルの倒壊を真正面から受け止めた奴はなんなんだ…と。
それは…。
【悪魔本来の身体能力】
簡単に説明すると、滅悪教の人間は悪魔由来の超能力とその悪魔の身体能力をその身に宿して戦っているという事だ。
だが、悪魔本来の身体能力は滅悪教の人間でなくとも…悪魔に寄生されてしまったら扱える様になる。人格は無くなるが…。
だから、人の頭も簡単に握り潰せる…。
だがそれは、今の俺も同じ事だ…。
「超能力・傲慢」
その言葉を紡いだ瞬間…。
目の前にいる悪魔は怯え出した。
そんな悪魔に一歩、また一歩と俺は
近付いていく…。
そうして目の前の悪魔に対し俺は言い放った。
「俺に迷惑を掛けるな、俺の道を阻むな、俺の視界に映るな。……今すぐ、跪け雑魚が。」
そんな言葉を俺が紡いだその瞬間、悪魔が頭を地面に擦り付けた。
…傲慢の力、これは便利だ。
傲慢の力 第一
自身より程度が低いと思った相手を屈服させる事が出来る力。
今はこの力以外分からないが、これだけでも
強力すぎる力であることは俺でも分かる。
そんな思考から離れ、頭を擦り付けている悪魔に対して俺は言い放った。
「いつまで頭を擦り付ける気だ。面を上げろ。その姿は不愉快だ。」
そうして面を上げた悪魔に対して俺は冷たく
その言葉を言い放った。
「お前の姿自体が不愉快だ、死ね…。」
何故そんな事を言ったのか…、ただ悪魔に寄生されていて姿が変わっていないのならそんな事はわざわざ言わない…だけど、目の前にいる
悪魔の姿はもう…人間ではなく。
【巨大な蝿】
誰がどうみてもそれだった。
そんな巨大な蝿の姿の悪魔は笑いながら…、
涙を流しながら…自分自身で首を捩じ切った。
そうして悪魔の頭部が俺の足元に転がってきた…、その頭を俺は容赦なく踏み潰した。
…悪魔の唯一の弱点、それは頭。頭が破壊されると悪魔も、当然寄生されている人間も完全に死ぬ。
だからこそ、俺は悪魔の頭を踏み潰した。
そうして、俺に降り掛かった面倒事は終わりを告げた…と思った瞬間、悪魔が暴れた衝撃で
部屋に空いた穴の方向から声が響いた。
「貴方、何者ですか?」
月明かりに照らされたその人物を…、俺は
見た事があった。
今朝、ビルの倒壊を受け止めていた人物だった。
とても美しい青年だった。俺とは正反対の…
この世の穢れを知らないだろう美しい青年。
そんな青年に俺は…。
「ひれ伏せ、王の御前だぞ。」
そう言い放った。
その言葉が俺の口から言い放たれた次の瞬間
目の前の青年は地面に叩き付けられた。
そんな青年に俺は…。
「ここが一階で良かったな。」
それだけ言い残して、この場から立ち去った。
_______。
………さっきから見知ったオーラを感じると思ったが、貴様も器を見つけていたか…、ベルゼブブよ…。もう1度貴様と会える事を楽しみにしておこう。
_______。
……君もやっと器を見つけたんだね、サタン。
君に話さないといけない事もあるし…すぐにでも話したいけど、今日は……。
(…よーし、器!ハンバーガー食べに行こ!)
(そうだね…。私もお腹空いてたし。)
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