第17話 助けてくれた人
【ハーモニー社・茨木店カフェ】
夕方、ハーモニー社・茨木店カフェの事務所で、店長の山下とアルバイト大学生の青木香奈が、他の従業員に聞こえない様に、声のトーンを下げて話している。
山下「青木さん、昨日、大変だったね……」
香奈「あぁ、はい。でも、お店に来てたお客さんが偶然通りかかって、助けて下さったんです」
と言うと、香奈、微笑む。
山下「えっ? お客さん?」
山下、驚いた顔をする。
香奈「はい。お客さんが助けてくれました」
山下「えっ?……警察でしょ???」
香奈「いいえ、昨日、お店にいた若い女性です」
山下「えっ?……そうなの?」
山下、目を丸くする。
香奈「めっちゃ強くて格好良かったんですよ?! ストーカーからナイフ取り上げて、手、ねじって、倒して、瞬殺でした!」
香奈、何だか嬉しそうに言う。
山下「えぇ? ナイフ? 危なっ……それは怖かったね……大変だったんだね……」
香奈「いえそれが、その女性に見惚れてて、怖いっていう感覚、全然無いんです……今も」
山下「えぇーそうなの? いやービックリ。社長ってそんなに強かったんだ……」
山下、真彩の顔を思い出して、感心している。
香奈「いえ、助けてくれたのは、若い女性です!」
香奈、真彩が社長だという事を知らず、単なる客の一人だという認識の為、山下が言った事を否定したのだった。
すると、山下、デスクに置いてある社内時報を手に取り、表紙に載っている真彩の写真を香奈に見せる。
山下「この人でしょ?」
と言って、真彩を指差す。
香奈「あぁ、はい、そうです。助けてくれたの、この人です」
山下「……この人、社長だから……」
と言って、山下、苦笑い。
香奈「えぇー?!」
香奈、驚いて、目を丸くする。
そんな香奈を見て、山下、微笑む。
山下「無事で良かった、良かった」
香奈、唖然としている。
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