第21話 星稜学園チームの実力
「皆,おつかれさま~」
1回目の休憩が入り,休憩席に戻ると座っていた
「12-15か。今のところは順調かな」
電光掲示板の近くに置いている点数表を見て
「しっかし,相手さんやっぱり強いなぁ」
「まあ,相手は全員バスケ部だからな。強くて当たり前だと思うぞ」
――トミーも
彼等は全国クラスの強豪,強くて当たり前と言っているが,そんな彼等に3点差で食い付いている僕達の方が周りからしたら異常であるのだ。
しかも,
チラッと誠央学園側の休憩席を見ると
「向こうって最初のうちに点数を引き離すつもりでいたんでしょうか?」
「そうじゃないかな。最初のうちに点数を引き離しておいて後半戦からは体力を温存しつつ守りに徹しようと考えていたんだと思うよ」
休憩席にいる他のバスケ部達を見ると悔しそうにしている子達が何名か見えたので
「――シンく~ん」
声をした方を向くと
「
「安心?」
よく見ると先程から僕や
「
「ただ?」
「ふふっ,あっちは仕方がないわね」
どうやら,先程僕に応援していたことで更に関係が気になったらしい。
「
「
「……私はもう諦めているからいいわ。シンも本気じゃないのは分かっているから」
ニコニコと笑っている
実は
そんな
「まあ,僕に取っては
「「もう1つ?」」
どういうことだろうと思っていると
何故か
そういえば,さっき二股がどうとか言ってたような気が――!?
「
「ん?なんだい?」
未だに問題なさそうにしている
「
「
しかも,その理由が喧嘩別れしたとかではないという。
「何故か俺のことを彼氏としては見れないって言われるんすよ!なのに友達ならOKとか言われるから女の子の友達は増えてばかりで!」
「トミーのそれって良いのか悪いのかよく分からないよな……」
僕も
そんなやり取りをしていると電光掲示板が鳴り,休憩タイムが終わったようだ。
「それじゃ,次も頑張って行こうか!」
「「はい!」」
「皆~,頑張ってね~」
「分かっていると思うけど怪我はしないようにね」
「んで,今度はあの作戦で行くのか?」
「うん。おそらく,僕はかなりマークされているような気がするから」
最初の方で目立ち過ぎたのか途中から僕のマークが厳しくなってきたのだ。
それを見兼ねた
「
「お任せを,王子」
「必ずや勝利をお届けしましょう」
暑苦しい二人の態度に苦笑したがこの二人は本当に頼りになると思った。
「!?おい,どういうことだ!?」
試合が再開して誠央学園側のチームは直ぐに気付いたようだ。
何せ,先程と同じように攻勢を仕掛けていると状況が変わって後ろにいた2人が前に出て来ていたのだ。
「
「ユフィちゃんとよく一緒にいる男子生徒ってぐらいしか分からないな」
そう思っていると
「
「気にするな!それよりも早く戻る――って,おいおい!?」
「いいぞー,
「
観客席からの応援が沸く中,先程の攻勢に
「二人とも何やってるんだ!?」
「そんなこと言われても仕方はないだろう!急に突っ込んできたと思ったら正面を向いたまま直角に曲がり出したんだぞ!あんなの対応できるか!」
「落ち着け二人とも。まだ,こっちの方が有利だ。冷静に対処して行くぞ」
――だが,この
「おい!また,あいつが一人で突っ込んできたぞ!」
「くそっ!今度こそ抜かせるか!」
「絶対に止めるぞ!これ以上,点数を離されてたまるか!」
ボール持っている茶髪の男子,
「見える,見える,見える――」
だが,
「こいつ等,本当に人間かよ!?動きがおかし過ぎるぞ!?」
「そんなこと言っている場合か!?急いで戻るぞ!!」
「もう遅い――王子,後は任せました」
僕は
「みはるん,みはるん!
「
「そうね。
観客席にいた彼女達も僕だけでなく2人の動きに驚きを隠せずにいた。
ただ,義妹だけは何も言わず,笑みを浮かべながら試合の行く末を見守っていた。
「お前達,さっきから何をやっているんだ!」
そんな中,先程からの光景に休憩席で踏ん反り返っていた
「そんなこと言われてもな……」
「俺達だってどうなっているかまったく理解が出来ていないっていうのに」
「お前等,そろそろハーフタイムだ。一旦,作戦を練り直すぞ」
「おい,1年生!やる気はあるのか!
「そうだぞ!それにお前達は
「まあまあ,先輩方。落ち着いてくださいよ」
休憩席にいた
「お前も同じだぞ,
「う~ん,手は抜いてませんよ?それに,俺だってあいつと賭けをしているんですから負けたら
衝突している
「王子,何か問題でも?」
スポーツドリンクを手渡して来た
「僕達の方は特に問題ないよ。ただ,向こうは相当荒れているなぁと思ってね」
「気にする必要はないのでは?向こうが負けても特に問題はないはずですし,こちらは
「そうなんだけどね。というか,
僕が否定すると何故か
「姫様から王子の恋人だと伺っていたのですか,違うので?」
「違うよ!というか,ユフィは何て勘違いを君達に……」
「――間違いではないと思いますよ?」
声が聞こえた方を振り向くとそこには義妹達だけでなく
「スケさん,カクさん,ご苦労様です。トミー君と
「「勿体なきお言葉です,姫様!」」
頭を下げる二人に
「……
顔を引き攣らせていた
点数が離されているとはいえ相手はバスケ強豪校のチーム――この先どうなるか分からないからだ。
「何事もなければ問題なく勝てると思うよ。敢えて言うなら1点だけ気になることがあるんだよね」
「気になること,ですか?」
「――
僕に勝負を仕掛けて来たのはいいが,これでは自分がワザと負けて僕を勝たせてしまうように周りから見えてしまうだろう。
そんなことをすれば,周りからまた変な噂が流れることは必然だ。
「どういうことですか!?約束がまったく違いますよ!?」
「なんだなんだ?誠央学園の方で喧嘩か?」
「あれって
誠央学園側の休憩席から叫び声が聞こえてきたので見てみると
「あれって,
「だよね。
しばらくすると
そんな
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