第18話 謀略と裏切り
「失礼しまーす。
「……」
放課後,
「んん?やあ,
「いえ,別に構いませんけど――何してるんですか?会長も
目の前の光景,猫のように甘えている
「
「だってぇ~,最近まったくお兄ちゃんが相手してくれなかったもん!」
「もん!じゃないでしょう!」
流石の
「何ですか,この状況?」
「見ての通りよ?
「熱々なのは相変わらずだね。
「私は見慣れているから平気よ。それに,これでまだマシなのは
――残念ながらこの2人の
だが,
「あ,
「今のうちに慣れておけ。これで無理ならこれから先もっと辛くなるぞ?」
「そうだよね~。聖ちゃん,これでもまだ手加減しているぐらいだから」
「――この状況をお二人は何とも思わないんですね……」
会長達の状況を見てまったく動じていない
その後,生徒会メンバーの大半は『これ以上は胃がやられそうなのでお暇させて頂きます……』と早々に生徒会室から退散して行った。
「さてと,後は
「
「僕達に交流会の選手として出て欲しいってことでしょうか?」
「ピンポーン!流石だね,
僕と会長の言葉を聞いた彼女は驚いた顔をした。
「か,会長!?それってどういうことですか!?」
「
驚く
「今回のスポーツ交流会,バスケ部の出場を禁止にしたのは聞いているよね?」
「はい。交流会なのでバスケ部の人達まで参加したら楽しめないのではと」
――
お互いに権力をかざすのは問題があるので自分達に協力してくれる1年生達に勝負をしてもらおうと提案があったのだ。
その勝負方法の中にはバスケ部の協力は禁止もあった。
「僕達の勝負以外にもいくつか試合はする予定でいたからね。バスケ部が参加したら勝負が決まっちゃうものだから
「そのことで
実は誠央学園も星稜学園も現在のバスケ部はどちらも強豪校である。
他の部活では大会の運営委員会を買収したり,賄賂を贈りエースの席を取ったりと問題行動があった誠央学園でもバスケ部とテニス部だけは本物の実力であるらしい。
そのバスケ部は現在,誠央学園の学生達が星稜学園に来たばかりなので何処の部活にも入部していない状況であったのだ。
「それって,誠央学園のバスケ部は出場できるってことですか!?」
「そういうこと。真面目に提案して来るから正々堂々と勝負をするのかなと思ったんだけど違ったみたいだね。」
チラッと隣に座っていた
自分を手に入れるためには手段を選ばない
「
「4人は分かりましたね。それと,
資料を持った
「この件に
「彼女が!?どうしてなの!?」
「
横領告発の事件以降,どこからも支援がなかった誠央学園の1年生達。
その多くの1年生達は未だに将来の不安を抱える者が大半であった。
それはバスケ部に所属していた1年生達も同様であり,中には父親が働いていた会社が今回の事件に巻き込まれて倒産したという事例もあったのだという。
「
「だから,協力したんですか!?彼女は
「……
「
「ん?」
沈んだ表情をしていた
「さっきから気になっていたんだけど
「そういえば,
「ええ。
話を聞く限り誠央学園の1年生をまとめている女の子というのは理解できた。
そして,何かしら
「
「
――三大勢力の一角,京都六家の1つ
京都六家の中でも発言力を持つ家柄であったが、10年前のあの事件で
それに,
「彼女は私のことを恨んでいるから」
考え事をしているとポツリと
「恨んでいる?」
「ええ。私が作ったリスト――あれが
彼女が言ったことはアンちゃんから事情を聞いてた通りの話であったが,僕はその話に少し疑問を抱いていた。
「やっぱり,その話っておかしいと思うな」
「えっ?」
「別に
僕の言ったことに先輩は頷いた。
「それに,今の話からすると
「……言われてみれば
「そういえば,あの子と一緒にいる子達も
「よくよく考えらたおかしいよね。
「う~ん,
僕の言ったことに
「悩むのはいいが,終わったことを考えても仕方ないだろう。今は目の前のことを考えたらどうだ?」
ごもっともな話である。
既に
それに,勝っても負けても彼女に利があるならこちらが勝っても彼女は何も文句は言ってこないということでもある。
「要するに僕達が誠央学園のバスケ部に勝てばいいってことですね」
「簡単に言えばそういうことだね。
「こちらのメンバー次第になりますね。ちなみに,こっちのメンバーって誰になるんですか?トミーを呼んだってことはトミーは参加するのは当然ですけど」
「あと一人は俺だ。残りの2人はまだ決まってない」
僕とトミーと
「でしたら,スケさんとカクさんはどうでしょうか?」
「えっ?」
生徒会室の扉を開けるとユフィと取り巻きの2人,ぐったりとした表情をしていたトミーが一緒に入ってきた――と思ったら急に僕の胸ぐらを掴んできた。
「どういうことだ,
「ちょっと,ユフィ!?教室の皆に何話したの!?」
先程,義妹が去り際に残した言葉――あれの言葉を聞いたクラスメイト達は休み時間になる度に僕と
それは,放課後になっても変わらず,迎えに来た義妹が事情を話しておくと言って僕達は先に生徒会室にやって来たのだ。
「問題はありませんよ?事情を全部説明して納得してもらいましたから。」
「ユフィちゃん,全部話したの!?」
「はい♪――流石に
小言でそう言うと
つまり,それ以外のことはクラスメイトに話したということだ。
僕は明日生きているだろうかと明日の自分にご愁傷様と祈った。
「そういえば,
「
そう言って義妹は
「誠央学園のチームですが,最後の一人に
「えっ?」
「「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」」
義妹の言葉に僕達は声を上げて驚いてしまった――が,何故か義妹だけは問題なさそうに微かに笑っており,その姿に
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