第1章 第3節 誠央学園と星稜学園
第17話 学園スポーツ交流会!開幕!
「誠央学園と星稜学園のスポーツ交流会?」
「内容はバスケ対決か――ん?おい!?これってどういうことだ!?」
「
クラスメイト達は貼り出された誠央学園と星稜学園のスポーツ交流会――昨日,商業施設で
「なぁ,
騒いでいるクラスメイト達を見ながら
「ごめん。流石の僕でも分からないよ。百歩譲って決闘の理由は分かるけど自分達が出ずに1年生達を使うってのが分からないんだよね」
「だよな。そもそも、1年生と2年生って仲が悪いはずなんだよな」
横領告発事件前から誠央学園の1年生,特に女の子達のとあるグループが上級生に多大な迷惑行為を繰り返していたのだ。
そして,
「
「要するに先日の話からすると
チラッと教室で
「――やっぱり,怒ってるかな?」
「いや,あれは単に恥ずかしがっているだけだぞ」
決闘の詳細を話し合った後,
そこで義妹がデート?の詳細を
「気にしなくていいと思うぞ。怒っているわけじゃないからな」
「それは僕でも分かるんだけど気まずくてね。そういえば,
「問題ないわよ?」
振り向くとそこには
「
「え,ええ。だから,
言い掛けるとやはり恥ずかしいのか顔を赤くして悶えそうになっていた。
そんな顔をされると僕まで恥ずかしくなってきそうなんだけど。
「あれぇ?
「僕も男だからね。可愛い女の子とあんなことがあったらそうなるよ」
「か,可愛いって!?」
先程と同じように悶えそうになっていた
「んん?
こちらの状況が気になったのか他の男子達と話していたトミーが尋ねてきた。
「別に何でもないよ。それよりも,男子達は集まって何を話してるの?」
「何って交流会の話に決まっているだろう?スポーツ交流会だぜ?ここで雄姿を見せて誠央学園の女子達とお近付きに慣れるチャンスだろう?そうだよな,お前達!?」
「「おおう!!」」
教室にいた星稜学園の男子達は今回の試合にかなり乗り気であった。
だが,よく見ると誠央学園の男子生徒達も混ざって話し込んでいたのに何故か彼等は星稜学園の生徒と違ってあまり乗り気ではないようだ。
「君達は乗り気じゃないの?」
「乗り気というか――トミー達には非常に申し訳ない話が……」
「申し訳ない?」
彼等の言った言葉を不思議に思っていると近くにいた
「言っておくけど,あんまり期待しない方がいいわよ?」
「
「そのまんまの意味よ。今の1年生の女子達って
横領を告発して有名人となった
「前々から女の子にちょっかいを掛けていたけど事件以降は今までよりも酷くなっているわね。自分が地方議員の息子だって言って無理やり言うことを聞かせようと」
「でも,
話を聞くと
「だけど,お前達って恋愛したいんだろう?」
「そんなの当たり前だろう!こっちに編入する前に貰った資料を見たら可愛い子ばかりだったから星稜学園の生徒ならチャンスはあるかなと。それに,1年生に物凄く可愛い女の子がいるって噂だろう?」
1年生の可愛い女の子――もしかして,彼等の言っている子って……。
「もしかして,ユフィちゃん?」
「ユフィちゃん?外国の人か?」
「いや,あだ名だよ。名前は
「へぇ~,そんな子がいるんだ。そういえば,
「
「「何だってぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」」
僕が説明する前に
「
「一人だけ抜け駆けするなよ!!ズル過ぎるぞ!!」
「ねね,
僕の周りにいた子達を見て僕だけでなくクラスメイト達が苦笑していると
「皆さん,落ち着いてください。
「私がどうかしましたか?」
「「えっ?」」
声をした方を振り向くと教室の扉の方に噂の張本人,義妹といつもの2人がいた。
「ユフィ?どうしたの?」
「少し兄さんに用事があって来たんですが,お邪魔だったでしょうか?」
教室の雰囲気を見て少し笑うと僕の近くまで歩いて来た。
「……可愛い」
「えっ?嘘?本当に可愛いんだけど……」
「可愛いもあるけど綺麗……。駄目よ私!?そっちに目覚めたら!?」
誠央学園の子達は義妹を見ると見惚れる子達が大半であり,一部の女子達は何かに目覚めそうな勢いでもあった。
だけどね――君達は義妹の本性を知らないからそんなことが言えるんだよ?
そう思っていると教室にいた数名の男子と女子が立ち上がり義妹の前まで来た。
「「お疲れ様です,姫様!!」」
「「……姫様?」」
彼等の言葉を聞き,やはり不思議な顔をしていた。
それは勿論,僕の近くにいた
「ユフィ,姫様ってどういうこと?」
「私の2つ名が
「親衛隊に姫,王子……」
義妹の説明を聞いて誠央学園の学生達は驚きを通り越して宇宙猫になっていた。
「まあ,初めて聞いたら皆はそんな顔をするよね――あと,そこで笑いそうになっている3人。
「ご,ごめんなさい。少し可笑しくて……」
僕だってそう呼ばれるのは恥ずかしいんだけど彼等がまったくやめてくれないから仕方がないでしょう!と思いながら不貞腐れた表情をした。
「……兄さん,嫌なら皆さんに止めるように言いましょうか?」
「少し恥ずかしいけど嫌ではないよ。気にしなくていいから」
困っている義妹に問題なく言うと彼女の頭を撫でた。
最初はくすぐったそうにしていたが嬉しそうに微笑み出し,顔も徐々にふにゃりと蕩けてきた――が,その顔がとんでもない破壊力であったらしい。
「か,可愛すぎる……」
「私,もう百合でもいいわ!あの子,可愛すぎる!!」
男子達だけでなく女子達まで虜にしてしまったようだ。
――何名か鼻血を出して悶えている男子達がいたが大丈夫だろうか?
「ところで,何か用があったのかな?」
「はい。放課後に
「俺も!?何で!?」
驚いているトミーを他所に僕は大体の理由は分かってしまった。
「放課後に生徒会室だね?わざわざこっちまで来て連絡ありがとう」
「はい♪それでは,失礼しますね。――そういえば……」
チラッと戻ろうとすると義妹は何故か
「
「ユフィで構いませんよ。親しい人は皆そう呼びますので」
「じゃあ,ユフィちゃんで。それで,何かしら?」
不思議そうにする
――だが,僕はその顔に見覚えがあり,あれは悪戯をする前の子供のような顔だと直ぐに分かった。
「あの後,兄さんとは何か進展があったか気になりまして」
「えっ?」
「「えっ!?」」
義妹の発言に教室の皆は
「
「ちょ,ちょっと,ユフィちゃん!?」
何事もなかったかのように義妹が教室から出て行くとクラスメイト達は
「
「進展ってどういうことだ?王子様,僕達お話が聞きたいなぁ?」
「詳しく話を聞こうか?……義妹だけでなく
男子達の圧力に僕は顔を引き攣らせながら笑うしかなく
そんな状況を見て
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