【日本人】バンバンドンドン【割と何でも丼にする】

 酒!飲まずにはいられない!米!食べずにはいられない!棒棒鶏を一口食べるとご飯二口食べれて酒も一気に呷ってしまう。次々とビールの缶とパックご飯の山が積み重なっていく。挙句の果てには棒棒鶏丼にまでしてしまう始末。

 視聴者に言われて試してみた棒棒鶏丼。ごまだれとご飯が合うのが不安なところはあったが、一度食べてしまうと杞憂だった。どんどんと掻きこむように食べてしまっている。


「美味い!美味い!ご飯も加わってなお美味い!」

「タキタテと比べたらアレだけどオイシイ!」

『オーロラちゃん、違いの分かる女』

『ワイ、そこまで気にしてパックご飯食べてないでござる』


 安心してくれ視聴者、俺もよく分かっていない。特に毎日のご飯にブランド米を使っているわけじゃないんだけどな。普通に近くのスーパーの10キロ米を買って炊飯器で炊いているだけなんだけど。

 ふむ、しかし稼げるようになったことでブランド米を気軽に買えるようになったのは事実。……そうだ。


「ブランド米買って大量に炊いてごはんのお供で食べながら酒を飲むのも悪くはないな……?」

「イイネ!」

『ええやん。それなら土鍋がおススメやぞ』

「あー、土鍋ねぇ、確か家にあったはずだから後は米だな。あとはごはんのお供だが……これは視聴者の意見を参考にしたいからおススメがあったらそっちに書き込んでくれな。あ、麻婆豆腐とか野菜炒めとか、作らなきゃいけないものはアウトで」

『料理アリだとジョージの負担増えるもんな』

『おっしゃ、ワイのお供デッキが火を噴くぞ』


 よしよし、視聴者たちの反応も悪くないみたいだ。この盛り上がり様ならまだ見ぬごはんのお供――もといお酒のお供が見つかると言うものだ。おっとそうだ。そうと決まったからには俺的に一つ絶対外せないごはんのお供があるんだった。


「先に言っておくけど、鮭のルイベは確定枠だからよろしく」

『ワイのお供デッキの切り札死んだんだが』

『美味しいからね、仕方ないね』



 口に残った棒棒鶏の風味をビールで流し込み、小休憩とばかりにマグイャナの肉を茹でた時に出来た茹で汁に溶き卵を入れて塩コショウや味の素で味を調えた簡単卵スープで一息入れる。

 うーむ、こうして味わうとやはり鶏肉寄りの味だな。あぁこれで飲む酒もまた善し。


「しかし、苦戦したマグイャナがこんなに美味しいとは感慨深いものがあるな。」

「ネー。あっジョージ、これでおうどんも食べてみたい」

「いーねー、でもそれは明日の朝食ね?」

『朝食も気になるけど参考までにマグイャナどう倒したのか聞いてもいい?』

『興味ある』

『オーロラちゃんと2人でやったん?それともパーティ?』

「んー教えてもいいけど参考になるかは微妙だと思うよ?」


 配信直後のハイスピードとは打って変わって、ちまちまと棒棒鶏を食べてビール飲んでレンゲで掬ったスープを飲んで今日の俺達のダンジョン攻略について話し始める。勿論、話す内容には注意をしている。言うて話せないのはヤドリギの矢くらいなんだけどね。吽形や硨磲の盾は公開しちゃってスケープゴートになってもらおう。

 それにオーロラの魔法についても隠す必要は無いだろう。そもそも妖精は魔法を得意とする種だからな。氷魔法が得意ぐらい言うのは構わない。


「――という感じ」

『近距離型エルフかぁ……たまげたなぁ』

『参考にならんならん』

『いや、子分のイャナサウルス多すぎん?』

『ツッコミどころが多すぎるッピ!』

「だから言ったのに」


 コメントが流れる流れる。拾うのも面倒な程だ。


『でもイャナサウルスがいるってことは大体マグイャナもいるからそこ警戒しなかったのは駄目では?』

「アッハイ、返す言葉もございません」


 中にはこうして厳しいコメントもあるが、大体正論なので素直に聞き入れる。事実、イャナサウルスしかいないと思い込み、マグイャナについてノーマークだった。反省。

 ちなみに視聴者の中にいる自称冒険者のコメントによると、マグイャナが魔法を使う際、その場で動きを止めて力を貯める必要があるので、その内に妨害してしまえば問題は無いらしい。が、今回の俺の様に取り巻きが多いと上手く攻撃が通らないことがままあり、発動されれば木の盾はもちろん、安価な鉄の盾ですら切り刻まれてしまうのだとか。だから防ぐのであれば十分な強度のあるもので。そうでなければ避けた方が良いらしい。


『でもジョージの様に一気に魔法まき散らされたのは正直キツイ』

『よう避けれたな』

『エルフのスペック半端ねぇ』

「いやいや、それでも傷負っちゃったからね。ギリギリだったよ」

『ところで服がボロボロになった時の写真とかは――』

「はい、ブロック1人入りまーす」

『雉も鳴かずば撃たれまいに……』

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