第3話
「まず最初、ここは商会ギルドの皮を被った暗殺者ギルドだ。」
....
あまりにも予想外の答え過ぎた。
もちろん、他の答えの見当がついていたわけでもないが。
「え...嘘ですよね?」
「いや、嘘じゃないんだな。これが」
少しばかりマティアスさんが笑顔を浮かべる。
「でも、ここは...商会ギルドの役割は果たしてますよね?」
「あぁ、もちろんだ。そうでもなかったら、今ここに存在してないさ。」
それはわかるんだけど...暗殺者ギルドなんて存在してたのか
「じゃあ、そろそろ二個目。これは別に秘密ではないが...お前を俺が暗殺者見習いとして面倒を見てやる。」
「はぁ...!?」
さっきまで、商会ギルドで働ける! とか思ってた俺が馬鹿馬鹿しい。
まさか、こんなことになってしまうとは。
「ちなみに拒否権は...」
「ないぞ? 俺たちの秘密を知っちゃったんだしな。逃げ出したら殺す。」
あー、発想があまりにも暗殺者すぎる。
まぁ、ただここで抵抗しても無駄だし...どうせ居場所なんてもうここ以外にはないしな。
「..じゃあ、お願いします。」
「よし、じゃあ今日からここの隣の部屋をお前に貸す。今日はゆっくり休んで明日から修行な。」
「あ..はい。」
そこまで言うと、マティアスさんは満足げに立ち上がった。
...今考えてみりゃ、この名前すら偽名の可能性もあるか。だって、暗殺者だもんな。
「あ、そういえばハンス、お前何歳だ?」
「え...十二歳ですけど...」
「そうか、じゃあ四年で全部をたたき込む。きついから覚悟しとけよ。」
今度こそ、本当に満足げに部屋を出て行く。
そうすると、マティアスさんと入れ違いで別の人が部屋に。
「えっと、あなたがアルフレート・ハンスさんですか?」
「え、えっと....そうですけど。」
「マティアスさんから、生活をサポートするようにと言われておりますので...本日からあなたの日常生活のことは私にお任せください。」
「え、いいんですか? 居候の身分なので、それくらい自分でやりますけど...」
「いえ、マティアスさんはあなたに期待しておられます。このギルドの未来のためにもあなたには仕事に集中していただきたいので。私のことはマリーとお呼びください。」
ものすごい勢いで捲し立てられた...
これ以上何か質問をする間も与えず、マリーさんは仕事に戻っていった。
────
こうして、暗殺者見習いの生活が始まり...
話は四年後へ。
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