二日目
今日は何もすまいと家でゴロゴロしていると、突然、扉をノックする音が聞こえた。
「は〜い、今行きます。」
慌てて扉を開けると、神官姿の少女がおどおどしていた。
「えっ、だれ?」
「わ、私は、の、ノルス教本部、せ、聖女のソフィアです!啓示に、し、従い創造神ヨルグ様にお仕えすることとなりました!」
え、何この子。私の事知ってるの?え、でも私創造神とかとっくの昔に引退したよ?今更復帰とか嫌だよ?と言った風な疑問が次々に溢れ出たが、それを何とか押し戻す。
「えっと、『創造神』って言っても『元』だし、『お仕えする』とか言われても何も、する事ないよ?私、基本酒飲んで美味しいもの食べて、ぐうたらするだけだし。」
「え''っ」
やばい、このソフィアとかいう子、カエルが潰れた様な声で鳴いた。絶望をそのまま具現化させた様な顔で何か「浄化」とかいう危なそうな単語を連呼してる。
「あー、やっぱりソフィアちゃんに頼みたいことがあるかもなー。部屋の掃除とか、部屋の掃除とか、後は部屋の掃除とか。」
それを聞くなり、ソフィアは目を輝かせてこちらに寄ってきた。
「ノルス教本部で鍛え上げられたこの聖女の力、是非ともお使いください!」
結果、私はソフィアちゃん無しじゃ生きていけなくなりそうだ。いや、もう手遅れだろう。以前は掃除に二時間もかかっていたのが、ソフィアちゃんにかかれば聖女魔法一発で済むのだ。その差はなんと、一時間五十九分五十六秒。こんなのずるすぎる。かくして私とソフィアちゃんはベッドで本を片手にグダグダしていた。ああ、こうしてまた一日が終わっていく。
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