第24話 オーク、急襲
結界を突破してきたリザードマン。
攻撃魔法を駆使するゴブリン。
異常とも言える事態が立て続けに起きているが……この村を襲ったオークも魔法の類が使えるようだ。
……以前、別大陸ではオークとも仲良く暮らしている村もあると聞いた記憶がある。
確か、あそこで生まれた者はジョブという特殊な力を有しており、その中でもかなり変わったジョブを授けられた少年が村長をしていると言っていたな。
現在は打ち捨てられた要塞を改築してそこを村にしているらしい。
一度は行ってみたいところだな。
――って、暢気に考えている場合じゃない。
俺は雷属性の魔法を駆使してオークたちを倒していく。
「これで五体目……もう少しか」
途中からヴァネッサも合流し、今はルネと息の合ったコンビネーションでオークたちを圧倒していた。
ここまでは特に異常なし。
オークっていうのもなかなか厄介な種族だが、ここの連中は魔法攻撃をしてこない分、まだ簡単に倒せる。
とはいえ、油断はならない。
ヤツらは群れで行動する。
となれば、ボス格のオークがいるはずだ。
現段階ではまだその存在を把握できていないが――
「うん? あれは……」
村の中心部に立つ、ひと際大きなオーク。
どう見てもヤツがボス格だな。
「あいつを倒せば他の連中の戦意は大きくダウンするな」
討伐の優先順位が変わった。
トップを倒して一気に畳みかけようとしたのだが、接近を試みた瞬間に違和感を覚えて咄嗟に足を止める。
直後、オークの前方数メートルの地点から青白い光が浮かび上がる。
それは円形をしており、強大な魔力を放っていた。
「やはりヤツも魔法を……出し惜しみしていたのか?」
仲間がやられているというのに悠長だなと思いつつ、魔法が発動する前にボス格のオークを倒そうと再度駆け出す――が、ここで魔力の正体に気づき、再び足が止まる。
「ま、まさか……魔法陣か!?」
なんてことだ。
オークが上級魔法使いにのみ扱えるという魔法陣を扱えるなんて。
幸いというべきか、あれを使いこなせるのはボス格だけらしいが……それでも厄介なことには変わらない。
何せ、ヤツが作り出した魔法陣は――
「召喚魔法陣……モンスターが召喚魔獣使役するっていうのか?」
そんなのは前代未聞だ。
人に話したら鼻で笑われるレベルだというのに、それが現実に起きようとしている。
どうやら、事態は俺たちが想定していたよりずっと深刻なようだ。
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