第24話 Side綾香

――Side綾香


 また誰かが扉の前に来た。皇帝はこんな時間にこないはずだよね。と考えていたら扉が勢いよく開いた!


「綾香!」

「綾ちゃん!」


 そこに居たのは翔太と瑠奈だった。それに太陽も皆もいる。でも私の目は翔太にくぎ付けだった。1年ぶりくらいに見る翔太は、ちょっとやつれていたけど、もの凄く心配そうな顔をして私を見ている。翔太ごめんね、あなたに捧げるはずだったものをアイツに奪われちゃった。こんな私でも助けにきてくれたの?


「これからは何があっても俺が綾香を守るから!だから結婚しよう!」


 翔太は許してくれるんだね、嬉しい。毎日お祈りした甲斐があったのかな。初めての子は翔太の子を産ませてね?


「「「保留で!」」」


 あれ?ちょっと女子達?


「えー、太陽と瑠奈も婚約したのに…」


 嘘でしょ?あの太陽がついにおちたの?瑠奈を大切に想っているのはわかっていたけど、恋人になるのはまだまだ先だと思ってた…。


「綾ちゃん、ついに太陽から言質とりました!」


 よくやったよ瑠奈!追放される太陽にくっついて行った時はどうなるかと思ったけど、よかったね。


「あれ?どうしたの太陽?」

「……なんか僕達だけずっと2人で居れたから皆に申し訳なくて…」

「何言ってんだ太陽!お前達が居なかったら俺達は死んでたし、綾香達だって助けられなかった」

「そうだぞ!皆感謝してるんだ!太陽達がカイトさんと仲良くなってなかったら、俺達戦場で燃やされてたんだぞ」

「お前達は幸せになってくれ!俺達もこれからやり直して負けないけどな!」

「皆、ありがとう」


 そうなんだ。太陽と瑠奈に助けられたんだね。


「「「瑠奈ちを泣かせたら許さないからね?」」」


 ホントだよ、私も許さないからね?


……………………


 その後、皇帝の所に行って私の代わりに復讐してくれる翔太のことを目に焼き付けた。私の代わりというか翔太の怒りでもあるんだね、初めて見た怒り具合だった。皇帝に何か命令されるかもと思って恐る恐るだったけど、それは周りの女子達も警戒してくれてたようで何かあればすぐに押さえてくれそうだった。


「これで俺と綾香の復讐は終わったね。修道院からの救出が終わったら、後でゆっくり話そう」


 うん、話したい。というかちゃんと声に出して謝りたい。そして改めて彼女にしてくれますかって言うんだ。


 修道院の3人はホントにできちゃってたみたい。それに3人とも相手が誰の子かわからないらしい。私みたいに一人じゃなくて多数を相手にさせられてたのかな…酷いね。でもどうして私達できなかったんだろうと不思議に思っていたら、瑠奈がこっそり教えてくれた。この世界には女神様が居てお祈りしたから聞いてくれたんじゃないかってことだった。確かに私は祈ることしかできなかった…。聞いてくれてたんだ、女神様ありがとう。


……………………


 そうして皆が拠点にしている所に転移したら生産職の人達も居た。皆助かったんだね、すごいね。


「じゃあお前達の首輪を外すぞ」


 このカイトさんと呼ばれてる金髪の超絶イケメンさんが首輪を外してくれるらしい。ちょっと怖くて目を瞑っちゃった。


「終わったぞ」


 そう言われて恐る恐る首元を触ってみると、ホントに何の痛みもなく首輪が消えていた……!


「翔太!」

「綾香…」

「貞操を守り切れなくてごめんなさい」


 私はすぐに翔太の元へ駆けて行って床に額をつけた。


「奴隷にされてたんだ、しょうがないよ。それに俺のほうこそ迎えに行くのが遅くなってごめん」

「そんなことないよ。だって翔太、すごい苦労した顔してるよ」

「功績上げれば奴隷から解放してくれるって聞いて、凄く頑張ったんだけどね…自力では助けに行けなかった」

「翔太…ありがとう。私は翔太が幸せになることを祈ることしかできなかった」

「綾香がいなかったら幸せになんてなれるわけないじゃん」

「……こんな私でもまた彼女にしてくれますか?」

「当たり前だ。というか別れたつもりもないからな!あの時のプロポーズは本気だからな!」

「翔太…」

「はいはい!お二人ともここじゃ人目がありすぎるからね!それよりも凄い石鹸があるからまずはお風呂に行こう」

「ホントに凄い石鹸だから、1年前の体に戻れるよ」

「え?それってどういう…」


 詳しく聞く間もなく戦闘職の女子達に凄い力で連行された。


「え、すごい、シャワーみたいなのがある」

「ちょっと待って!シャワーの間にあるのもしかしてシャンプー!?」

「そうだよ!カイトさんの奥さんが作ってるんだって、すごいよね。はいこれ、カイトさんに皆の分の石鹸貰ってきたよ」

「石鹸だ…帝城でもこんなの無かったよ」

「これもカイトさんの奥さんが作ってるんだよ。皆は神の石鹸って呼んでるよ」

「神の石鹸?」

「うん。やってみたらわかるからとりあえず1回洗ってみて」


 言われた通り洗ってみたけど、これは確かに凄い!なんかヨゴレが浄化されていくような…。と、まじまじと綺麗になった腕や足を見ていたら、戦闘職の女子達に取り囲まれていた。


「さぁ、本番はこれからよ!」

「何をするの?」

「大丈夫!皆でやれば怖くないから!」


 めっちゃ怖いんですけど?


「私達と同じようにしてね!」


 そうして彼女達は石鹸を泡立ててアソコを洗い出した。え?ちょっと…。


「キレイになるからしっかり洗ってね!」


 そんなとこまで…。でもなんかヨゴレが浄化されていく気がする。よし、それなら頑張ろう!


 そうして皆で大事な所を洗っていると、ふと気づいたら瑠奈とさくらちゃんが真っ赤な顔で湯船でぼーっとしてた。

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