第31話
紅華ちゃんは、ぐしゃりと前髪を掻くと大きく溜息を落とし此方をじとりとした目で見てくる。
「……はぁ、仕方ない。どうせ止めても来るだろう、アンタは」
「まぁ、うん。ほっとけないからねぇ」
どうやら折れてくれたみたいで、少しホッとしながら顔を緩める。
相変わらず過保護が過ぎる、なんて文句を言うけど、嫌がられてる訳でないと分かってるので敢えてそこには触れない。
「紫保、資料」
紅華ちゃんは、慣れた手つきで煙草を吸いながら紫保ちゃんにそう告げる。
「……良いんです?」
「良いんじゃないか?今は一般人と言えど、元々こちら側に足を突っ込んでるみたいなモンだからな、此奴は。それにまあ、紫咲んとこの拓巳さんも来るんだろ?……どうせなら巻き込んでやるさ」
「はぁ。……まぁ、紅華さんが良いならいいですよ」
スラスラと進んでくその言葉に、紅華ちゃんと紫保ちゃんは良き仕事のパートナーだと理解する。
そして、お互いを信頼してる様子にホッとした。
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