第26話

時は少し遡り



──── 一黄side



俺は深崎 一黄(みざき いつき)。

桃里とは一卵性の双子だ。

ちなみに桃里の方がお兄ちゃん。


…全然お兄ちゃんらしいところ無いケド。



そして、俺の朝は桃里から始まる。

夢の中にいる桃里を揺すって声をかけて、1度目が合ったのを確認して俺は朝食を作る為にリビングを通りキッチンに向かう。


そうしたら、朝食を作り終えた頃に桃里は起きてくる。




「おはよ、桃里」


「…ん」


こくりこくりと首を傾けつつ、のそのそとやって来る。桃里は俺と比べて朝が弱いからなぁ。



「…三貴さん、まだ?」


「ん。三貴さんは昨日の夜から帰ってきてないよ。…珠優が病院に運ばれたって…メールにそれだけ」


「そっか…」



目を合わせ、心配だと言い合う。



「とりあえず、未來ちゃんや翔も心配だから学校には行こう」


「…ん。帰りに、お見舞い」


帰りに珠優のお見舞いに行こうと言う桃里に賛成して、俺たちはいつもより静かな家をあとにした。

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