第21話

…アレ、でもなんで三貴は知ってるんだ?一応華狼の10代目総長でもある事だし、調べでもしたか?


 なんて、三貴が黙ってる間に思考を巡らせる。




「あ、あー、えっと。たまたま通りかかった人が助けてくれたんだよ!」


 目をキョロキョロと彷徨わせて落ち着かない様子の三貴。…三貴の嘘をつく時の癖だ。

 それを知ってる俺は、なんで嘘をつく必要があるのかと首を傾げる。




 …三貴が嘘をついてまで〝隠したいコト〟とは、何か。


 昨日の夜の事を思い出そうと思考を巡らせて、思わずと言った風に…無意識に言葉が落ちた。







「────扇木、紅華…?」

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