第14話

その紅華の言葉。それに反応した男が1人。彼は可哀想なくらいに顔を真っ青にして、震え出す。


 歯はガチガチと鳴り、痛む体を無視して震える体を抱き締める。





「貴女は、もしかして、もしかして…っ!!」




「アレ、今気付いた?

…まぁいいや、とりあえず────寝てな」





 その男が最後に見たのは、夜空に浮かぶ月を背景にコチラへ手を伸ばす、漆黒を纏う、美しき〝赤〟を宿す女──





────扇木組組長、扇木紅華の姿だった。

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