第4話

そして俺は、そんな街でほとんどの奴等が知っていると言っても良い程大きい暴走族の総長をしている。



 名前は、樺月 珠優(カヅキ シュウ)。

 …親譲りのくせっ毛の色素薄めの茶髪(地毛)。アメジストの瞳。そんな、割と整ってる顔立ちからか結構目立つ。なので、常日頃から帽子は手放せない。


 この容姿故に目立つのも、総長の肩書きを持ってるが故に目立つのも、仕方ないと思う。でも、1人でゆっくり歩きたい時だってある。

 そんな時は、帽子を深く被る。




 今は1人で、街を歩いてる。見回りだ。


 最近、隣の市で活発な暴走族、火蛇(かじゃ)の奴等によって下っ端の奴等が狙われている。病院送りにされたのを何度も聞いている。


 そして、仲間の奴が見舞いに行ったらほとんどの奴等が口を揃えて言うのだ。




「『珠優さんが狙われてる』…か」


 誰が何の為に、なんて言葉は今まで幾つも言ってきたが、今回は相手の情報が探れなくて困っている。

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