お前は彼女とどうなりたいんだ
「はぁ~」
大きなため息をついてテーブルの上にうつ伏せになる
「大丈夫か光、とりあえず約束通り俺のおごりなんだから好きなもの注文して元気だせよ」
最後に波乱はあったものの何とかHRは終わり、帰れることになったので僕と悟はファミレスでご飯を食べて帰ることにした。本当はゲーセンでも寄って行きたかったが精神的に疲れてしまって行く元気が無くなってしまった
「じゃあ遠慮無く食べさせてもらうよ」
そして思う存分食べてデザートを食べ始めた頃に悟が話しかけてきた
「それにしても本当に謎だよな、なんで副委員長に光をわざわざ選んだのか」
「そんなの僕が一番聞きたいよ、てか悟も見ただろ?HRが始まる前に話しかけた時のあの態度。あんな態度の後に指名してくるって訳が分からないよ」
「まぁあれか?天才の気まぐれってやつ?」
「もしそれが本当だったら気まぐれに僕を巻き込まないで欲しいね」
「決まったもんはしょうがないんだからプラス思考でいこうぜ!あんな可愛い幼なじみと一緒に行動する機会が出来たとかさ」
「こんな気まずい時に一緒にならなくても…」
「それだよそれ!こんな気まずい時だからだよ!」
悟が語気を強めて顔を近づけてきた
「お前は彼女とどうなりたいんだ!?」
「えっ?どうなりたいって?」
「前みたいな関係に戻れるように仲直りしたくないのかって事だよ!」
悟が畳み掛けるように続ける
「お前の性格からして同じクラスになってもどうせ距離置くつもりだっただろ、今回のはイレギュラーな出来事だったかもしれないけど意外に悪くは無いだろ?仲直りするにはどのみち会話しなくちゃ始まらないんだから会話するきっかけが出来るのは大きい!」
「…確かにそうかもな」
悟がスゴい勢いで話すから少し押されてしまったけど確かに言ってることは間違って無い。しかも僕たちの事をそこまで心配してくれている事に正直びっくりした
「ありがとう悟、僕頑張ってみる」
「その意気だ光!何か困ったことがあったら相談してくれよ」
「うん!」
話は終わったし時間も時間なのでそろそろ帰ることになり、外に出ると少し肌寒くなっていて辺りを見渡すときれいな夕焼けが見えた。
「じゃあまた明日な光」
「うん、また明日」
帰り道は違うので僕たちはファミレスの前で別れて、一人で帰っているときに気持ち軽くなっていることに気づいた。話したいことを話したおかげなのか、それともきれいな夕焼けを見ることが出来たおかげなのか分からないが、来るときは落ち込んでいた気持ちが帰り道では少し晴れやかになっていた
家の前に着き、反射的に向かいの家も見ると明かりが見えたので彼女はもう帰ってきているようだ。
彼女が何を考えているのか僕にはもう分からないけれど、行動しないと何も変わらないことだけは分かっている。正直これ以上嫌われるのはキツいし怖い、でもずっとこのままの関係なのはもっと嫌だ。
はっきりと自分の気持ちに気づいて決意を新たにしたところで家に帰った
「ただいま~」
「おかえりなさい、今晩ごはん出来るから」
台所から母さんの声が聞こえてくる
「そういえば今日奏ちゃん来てたわね、委員長なんて相変わらずスゴいのね~」
「あ、今日来てたんだ?」
「煮物持ってきてくれたのよ。あと、あんたが副委員長に選ばれたって話もしてたわね」
「そんなことも言ったのか、事実だけど」
「せいぜい奏ちゃんの足を引っ張らない程度に頑張りなさいな」
「分かってるよ」
そんな会話をしながら晩ごはんを食べて、風呂に入り終わってから自分の部屋でくつろいでいた。そんな時に窓からコツン、コツンと音がしていることに気づいて不審に思いながら窓を見てみるとよく見知った女の子が見えた。
「え…?奏?」
とても長く感じた今日の一日はまだ終わらないようだ
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