間章三、城に残る人は

王城に何者かが忍び込み、王兵五名を負傷させ、女王・エヴシーテの客人たるベルア族の少女に危害を与えた。それに加え重要な客人の少女一名及びその護衛を攫った

この一報を聞きエヴシーテは喜んだ。とうとうアイツらが、ベルア族の過激派が尻尾を出したのだから。しかし焦ってはいけない。エヴシーテは目撃情報から犯人を割り出させる。

午後になり犯人が確定した。


「陛下。王城に侵入したのはベルア族影の家が長女・ミーシェ、ベルア族龍の家が長男・ルドと分家の者数人でございます。我が一族の者がご迷惑かけて申し訳ありません」


報告したのはベルア族穏便派の長、レビリオだった。

実のことを言うとエヴシーテはベルア族が嫌いだ。あんなにも罪深いことをしているのにのうのうと生きているのだから。だが、あの事件に関わっているのは龍と影のみ。エヴシーテは穏便派を許さなくてはいけない。クリーグ王国の女王として。だからそのかわり、過激派は絶対に許さない。そうエヴシーテは決めたのだ。


「ああ。ようやく相見えるぞ。ベルア族族長のカイヤ。死ぬよりも酷い目に合わせてやろう」


確かに憎しみのこもったその声を聞いたのはエヴシーテの後継たるリーヤアイナ。ただ一人であった。

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