間章一、それを見ていた人は
「くっくっく」
「何を笑っていらすのですか、ルド様」
「いたのかミーシェ」
村の近くの高台で一部始終を見ていた男女が一組。
「笑い事でないでしょう。村が一つ被害にあったのですよ」
「いやいや、愉快だ。陽があれほどの力を持ってるとはな。見たか?あの銀の暴風。ベルア族の手の者を全員吹き飛ばして、火を消した挙句、怪我人の治癒までしている。やはり欲しい」
「、、、それは、あの方の忘れ形見だからですか?」
「そうだなぁ。それも少しはあるが、ただあの力が欲しい。そうすれば完全にあちら側を黙らせられる」
「回収致しましょうか?」
「いいや、まだその時では無い。それに、そろそろ王兵が来るだろう。穏便派たちもだ。あの女はこれに気づかないほど無能じゃない」
「今代の陛下は有能ですからねぇ」
「さ、俺らも行こう。面倒事に巻き込まれたくない」
「御意に」
男の名前はベルア族龍の家が長男、ルド。女の名前はベルア族影の家が長女ミーシェ。ベルア族次期族長とその補佐である。
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