なにがあったん⁉︎
桜子は、冴木くんと下校してからオレの部屋にやってくるんだけど…
ただただオレの部屋でくつろいでおります。
そしてたくさんの漫画を持参しております。
…
なんなんでしょうね?
意味がわからんと、桜子をジーッとみていると桜子が、
「この前、理科の実験のとき…冴木くんわたしのことなんか言ってた?」
と、真剣に聞いてきた。
そしてめっちゃ目を見開いている。
…
「え、べつに言ってないかな。」
その言葉を聞いてすごくほっとした様子だった。
「ならよかった〜」
って。
「なに?冴木くんとなんかあった?」
「え、あったもなにも…」
と、モゴモゴしていた。
…
ん?
どういうこと?
あったもなにもってどういうこと?
あったん?
ん?
「え?なになに?聞かせてよ。」
オレは明るく聞いてみた。
そしたら、桜子が真顔で
「自分のむねに手でもあてなさいよ」
って冷たくいわれたんよね…。
だからそっとむねに手をあてましたよ。
…
心臓の音がトクントクンしております。
正常でした。
って‼︎
なんなんよ⁉︎
わからんわ‼︎
なので、めげないオレは桜子にもう一度聞いてみることにした。
「心臓、わからないって」
と。
すると桜子は、
「へー。ならよかったですねー」
って返してきたんですよ?
…
なんか…
ちょっとご立腹じゃない?
冴木くんとケンカでもしたのかな?
…
学校では、普通なんだけどな。
むしろ毎日一緒に帰ろうとか、桜子から積極的にいってるわけだし…。
「あのさ、桜子って冴木くんと……やっぱりなんでもない。」
桜子は、オレの言葉にチラッとこっちをみたけど、またすぐに漫画に視線を戻した。
冴木くんとうまくいってないの?とか、ケンカした?とか聞けない…。
桜子から言ってきたなら全然相談にのるけど…
でも、オレから聞くのもね…。
やっと素敵な恋がはじまるのに、オレが首を突っ込むのも違うよね。
今回は、桜子も恋にきちんと向き合っているみたいだし…。
てか、そもそも…
「桜子って、なんの本読んでるの?」
あんまりどっさりある漫画がなんなのか気になったので聞いてみた。
「あー、これ友達の芽依ちゃんから借りた本だよ。めっちゃ面白いからよかったら一巻から追っかけ読みしてもいいよ。」
と、一巻を渡された。
追っかけ読み…
「あ、ありがとう。」
とりあえず渡されたので、暇だし読んでみることにした。
…
恋愛漫画…ですね。
桜子…めっちゃ恋愛のお勉強してるじゃん。
どんだけ恋に勉強熱心になるんよ…。
この本読んで…桜子は冴木くんとあんなことやこんなことして、愛を育むんでしょうね。
いいことだと思うよ。
うん。
やっとほんとうの恋見つけたんですね。
…
幼馴染のやっと報われた恋…
嬉しくもあり、めっちゃ切ない‼︎
そんな切ないオレは、桜子から本を借りて追っかけ読みしたよね。
恋って…色々複雑。
そんなことを思いながら授業中、桜子と冴木くんを交互にみた。
…
うん、美男美女のお似合いだよねー。
…
そして次の時間は、理科だったんだけど…
またオレは、冴木くんのお隣に座り実験を進めたんよ。
あんまり話しかけるとさ…のろけとか聞かされたりしかねないからさ…
そんなん自分の心えぐられるだけやんって感じだしってなわけで、黙々と実験実験って集中してたら冴木くんが、
「あのさ、桜子ちゃん…オレのことなんか言ってた?」
なんて言ってきたんですけどぉ⁉︎
な、なに⁇
桜子も、この間…
冴木くんわたしのことなんか言ってた?って聞いてきたんよね…。
なに⁉︎
なにがあった⁇
あの二人…
なにしてん‼︎
なーにーしてーーーん‼︎
って思ったよね。
…
そもそも、オレは双方から何 なんにも聞いていない。
気になる…。
理科の実験結果なんて、どうでもいい。
とにかく二人ってなんかあったんですか⁉︎って、聞きたいです…。
桜子は、むねに手を当ててみろって言ってたような…
なのでゆっくりむねに手を当てた。
そしたら、先生に
「どうした?心臓痛むのか?」
って聞かれて、クラスのみんなからめっちゃ注目浴びちゃったよね…。
続く。
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