桜子は、冴木くんを意識しだしたのでしょう。

 

 

 あーあ。

 

 もうさ、小走りで走りながら校長室を叫びまわりたい。

 

 

 そんなことしても、スッキリしないんですけどね。

 

 

 …

 

 桜子は、どんな漫画を読んで…ときめいたのかな…。

 

 自分でおすすめしておいて、詳しくわからないのだが…

 

 

 オレもトキメク恋ってやつをいたしたい。

 

 

 そう…できるなら桜子と。

 

 

 …しかし‼︎

 

 桜子は、もう冴木くんの彼女。

 

 そしてオレは、桜子にとってただの幼馴染。

 

 

 オレって…

 

 なんなんですかね?

 

 あ、人間か。

 

 

 もうさぁ、めっちゃストレス発散したいっす‼︎

 

 歌って踊って暴れ狂いたい‼︎

 

 

 だから、学校が終わり家に帰りオレはお風呂で熱唱することといたした。

 

 

 一人リサイタル。

 

 …

 

 でもさ、お風呂で歌ったら…桜子の家にも聞こえちゃうかもなって思って、リサイタルを中止することと、いたした。

 

 

 会場にお越しの皆さま、大変ご迷惑をおかけいたします。

 

 って、だれもおらんかった。

 

 いたのは、鏡にうつる全裸のオレ…たった一人でございます所存でございます。

 

 

 ありがとうございます。

 

 

 寝るでございます。

 

 

 

 …

 

 

 朝になっても夜みたいに、くらい気分でございます。

 

 

 朝は…オレに明るい朝は…くるんですかね?

 

 ウェルカム‼︎キラキラモーニング‼︎

 

 

 …

 

 カーテンをあけると…キラキラモーニングとは、程遠い雨ザーザーでしたよ。

 

 

 オレの心みたいですね。

 

 

 桜子さんは…きっと雨でも、るんるんなんでしょうね。

 

 ひとは、ひと。よそは、よそ見しとけばいいみたいなことを、だれかがいっていたようなきもしないでもない。

 

 なのでよそ見していたら、ドアの角にあしをぶつけたよね。

 

 

 あしさん…ごめんて…。

 

 

 あしさんに詫びて、オレは朝ごはんをいただいた。

 

 

 ご飯食べたら元気になるかな?って思ったら、胃が元気になって食欲旺盛になりましたよ。

 

 

 あ、オレ思ったんですけど…

 

 これから毎日しんどくね?

 

 

 好きな人がオレの前で彼氏とイチャイチャとかするんじゃん。

 

 同じクラスだから…見たくないのに、視界に入ってきそうでやだな…。

 

 オレ視界広いし…

 

 席、一番前がいいな。

 

 そしたら、後ろの人って基本見えないもんね。

 

 

 って企んでいたら、席替えで一番後ろになったよ?

 

 背が高いからってことでさ。

 

 だから…やだよねー。

 

 

 幸い桜子と冴木くんの席が離れていたからギリセーフとするけどさ…。

 

 

 

 続く。

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