いつも通り
オレはドギマギしながら、
「あー、うん…」
って、言いながらもめっちゃ目が泳いだよね。
今なら、この泳ぎで一位とれるかもしれないってくらい泳いだよー。
キョロキョロキョロキョロキョロキョロキョロキョローって。
もうさ、目がまわるんじゃね?ってくらいだよね。
そんな挙動不審なオレに冴木くんは、
「桜子ちゃんって、めっちゃかわいいよね〜ぇ」
ってのろけてきた。
…
あー、よかった〜。
ただののろけでよかったって安心していたら…
オレにプチ怒りな桜子は、オレと冴木くんの間に入ってきた。
そして…
「なんのおはなししてるのかな?」
ってニッコリしてきたんだよね…。
学校では、お利口さんの別人だからね…
ほんと人格もオーラもめっちゃ変わるんよねーって改めて思った。
てかさ‼︎
桜子‼︎
冴木くんの制服の端っこ、ちょっと掴んでんじゃん‼︎
それに気づいたオレをみて桜子は、冴木くんにバレないようにフッ、とドヤ顔した。
ウザ…
わたしボディタッチしてますアピール…
「あ、オレ…トイレ」
と、その場を立ち去った。
桜子は…ほんとに意味がわからない。
なにがしたいん?
好きでもない人とすぐ付き合うとかさ…
まぁ、歴代の彼氏全員知ってるけど…みんなイケメンなんだよねー…。
イケメンのおそばに居たいのか?
でもイチャイチャは、無理って…
…
そんなこんなで一日を終えて、部屋でのんびりしていたんですよね。
そしたら、プチ怒りの桜子が…こないと思っていたら…オレの部屋にきたんよね。
「こんにちは〜。今日は、どうされましたかぁ?喉が痛みます〜ぅ?じゃあ、問診からしていきますねぇ」
と、上機嫌だった。
…
「なに?病院設定?オレ喉痛くないし。」
…なんなら心が痛い…とは、言えないっ‼︎
「あらぁ…風邪ひくと、ご機嫌斜め三十五度方向ですかぁ?」
なんて言ってきやがる。
…
方向ってなんだよ…
とにかく…
うるさい。
学校での桜子は、あんなにもおしとやかで素晴らしいっていうのに…
「ところで、どうしたの?」
オレは落ち着いて桜子に質問してやった。
すると桜子は、
「あー、なんがぁ…様子がへんだんでずー」
ってダミ声で言い出した。
「…そうだね。早く帰って寝た方がいいですよ」
と冷たくあしらった。
すると桜子は、
「もう、ちゃんとのってきてよー‼︎てかさ、わたしの今日、みたでしょ?ボディタッチ‼︎ふふん。わたしだって、そのくらいできますからっ!満月じゃなければ大丈夫なんだし」
と、ドヤ顔していた。
…
満月ってなんなん⁇
まだいうん?
桜子は、まさかおとこは…満月になるとオオカミになると思っているんじゃ…。
…
てかさ、そもそもオオカミにならなければ交際は、安全って保証もないんだけどね…
そもそも桜子って、兄貴しかいないから恋愛漫画とか読まないんだよね。
オレの部屋にも恋愛漫画ないし…
だから、恋ってヤツすら知らない…のでは…
「なぁ、桜子」
「んー」
「本屋行かね?って…なにひとのズボン履いてるんだよ…」
「あ、寒くて♡」
…
寒くて♡じゃないって…
「あのさー、彼氏いるんだから…そういうのやめなって。」
…
「え?どういうの?あほずらとか?」
…
「いや、そうじゃなくて…オレのズボン履くのとか」
「え、だって猫だって袋とか段ボールあったら入るでしょ?それと同じでズボンあったら履くでしょ」
って意味わからないことをほざいておりました。
もう、いいや…
「で?本屋行くの⁇おなかすいたから?」
とかほざいております。
「本屋でおなか膨れないわ」
「あー、紙食べない派ね」
「…ヤギじゃないんで。」
「あれ?ヤギどしだよね?」
「…やぎ座な」
「な。」
…
そんなこんなで本屋に行くことにした。
「あ、でも着替えたり髪整えなきゃ」
なんていうから、そのままでいいじゃん。
と、そのまま本屋に行くことにした。
そして、桜子に今人気の恋愛漫画をおすすめした。
オレも映画になった恋愛漫画を購入した。
「すんげーいっぺーあるなぁ。まんずびっぐりだ」
と、桜子の小芝居が始まった。
学校じゃないし油断していたのだろう。
桜子が眼鏡をクイっと直していると、いきなりひょっこり冴木くんが現れた。
⁉︎
オレも桜子もびっくりしたよね。
冴木くんは、
「あ、奇遇だね。こんにちは。妹さん話し方独特なんだね。じゃ、オレ急ぐんでまたね」
っていってしまった。
…
冴木くん…
冴えてないなぁ…
桜子は、無言でジトーっとオレをみたよね。
あんたが服とか髪、そのままでいいっていうから…じゃん‼︎
みたいな圧の表情…
…
まぁ…仕方ない…よね。
でさ…その漫画を読んで以来…桜子の様子がなんか…おかしい。
続く。
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