プチケンカ?
オレは桜子に質問してみた。
「その…オオカミってのは…襲われた…的な?あ、言いたくなかったら…全然言わなくてもあれだけど。」
と、恐る恐る聞いた。
すると桜子は、
「まぁ、わたしのスイーツ食べようとしたり…ね。手…それこそ絡めてきたりさ…オオカミってスイーツ大好きなんだね。知らなくて…あとさ、手を絡めるとかびっくりしたよね。しっぽをほんとは絡めたいのかな?でも、しっぽが短いからきっと手なんでしょ?」
なんていうんですよね。
えと…
付き合ってるんだから…そこらへんは、アリなのでは…ないのか⁇
オオカミは、甘党とか聞いたことないぞ?
付き合うってそういうことするんと違うん⁇
オレ…付き合ったことないから…それってイチャイチャのいっかんだと思っとったわ…。
あぶない、あぶない…
危うくオオカミ人間になるところでしたわい…。
「え、じゃあ冴木くんとのデートって…」
「一緒にクレープ食べてお買い物して帰っただけだよ?」
…
「でも、そのうち手とか繋ぐでしょ?」
オレのこの言葉に桜子は、
「えー、手は勘弁だよー。」
と言った。
「間接キスも付き合ってるんだから…ありだよね?」
って聞くと、
「絶対ないー。ヤダー」
っていうんですよ?
じゃあ、キスなんて当分できるわけないな…。
桜子は、潔癖なんだよな…
なんとなくわかってしまった。
桜子が、いつもフラれる理由が。
冴木くんが、どこまで…いつまで我慢できるかってことだ。
あと今後、桜子が冴木くんをどこまで受け入れられるかってことだ。
「で、さっき言ってた調べてるって何?」
「あ、満月は危険なんでしょ?」
とか言い出した。
満月って…危険なん?
聞いたことないけど…
ピコン
桜子の携帯がなった。
「あ、冴木くんだ。今度のデートはどこに行きたい?って!どこがいいかなぁ?」
と、ウキウキする桜子。
…
たぶん…桜子は、デートとか付き合うって意味を深く考えていないように思う。
デートじゃなくて、これはたぶん…桜子にとったら、ただの遊びの約束にすぎない。
かわいそうな冴木くん…。
「あのさ、桜子って…だれとでも付き合うじゃん」
「え、なにそれ?わたしが来るもの拒まずみたいな人間みたいじゃない?」
と、軽く睨まれました。
「だって、告白されると必ず付き合うじゃん?」
「それは、当たり前くない?こんなわたしを好きなんて、そんな奇跡ある?このわたしだよ?こんなわたしを好きなんてありがとうございますってなるでしょ?」
と、正論?みたいに言ってきた。
「それって…そもそも付き合うって意味わかる?」
と優しく聞いてみた。
すると…
「そりゃ、一緒にお買い物したりご飯食べたりでしょ?」
と得意げに言ってきた。
「それは、ただの遊び友達だよね?恋人になったら、ボディタッチとかキスとかするんだよ?」
って教えると桜子は、
「無理。それは無理って歴代彼氏にも言ってきたよ。キスとか…絶対無理じゃん。てか、そんなのおとぎばなしとかでしょ?道徳とかで教わってなくない⁉︎デートのマニュアルとかあるの?それって、なんでそんなことするの?」
って言ったんよね。
「じゃあ、なんで付き合うんよ?」
「だって…こんなわたしに断る権利なくない?このわたしだよ?わたしを好きとかほんとすごいことじゃん」
なんていうんですね…
「でもさ、キスもできない相手に交際オーケーってする方がひどいよ。それは、上げて突き落とすって感じだよね。なら、はじめからお断りしてあげた方が双方傷つかないんじゃないのかな?」
って、熱心に熱演してしまった…。
「え…付き合うって…キス前提なんだ?でも、冴木くんは、そんなことしない…そんなこと望んでないと…思…われる…」
と、曖昧な顔の桜子。
「じゃあ、もし冴木くんがキスしようって言ったらどうする?」
って聞いてみた。
すると…
「それは…無理っていうよ」
って言いました。
「え、かわいそ…」
冴木くん…
かわいそうに…
これは…別れ目前なのではないでしょうか?
まさか…まさかごめんなさいがくるとは、だれも想像できないだろうに…。
そんなこんなで、桜子の交際のズレを少し理解しつつあるオレ。
そして桜子も、交際ってやつを少し理解してきたようだった。
たぶん…
オオカミをどこまでどう理解しているかは、不明だけど…
そもそもオオカミ説がオレもよくわからんけど…
でも、桜子はオレに色々言われて、
「わたし、恋なんてチョロいから‼︎バカにしないでよねっ‼︎」
って言ってオレの部屋を出ていった。
そんなある日…オレは冴木くんに話しかけられたんだよね。
「桜子ちゃんと、幼馴染なんだよね?」
って…。
…
えと…
どうしよう…
毎日きみの部屋に行ってるらしいね?とか言われちゃう?
…
どうする?
どうすればいいー‼︎
ってめっちゃ焦ったよね…
続く。
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