オオカミ事件⁉︎
そしてついに桜子と冴木くんのデートの日…
土曜日は、もうずーっと一日中オレはソワソワしてたよね。
どうなの?どうなの?ってさ、とにかく不安というか…
しんどいよね。
好きな人が、誰かとデートしてるって思うとさ…。
そんなしんどい一日を過ごしたオレは、日曜日を迎えたのです。
サンデイ。そう、日曜日はサンデイなんだよねー…なんて、てんじょう見上げてぶつぶつ呟いておりましたよ。
そしたら、昨日爽やか彼氏とイチャイチャデートをしたであろう幼馴染の桜子が元気よく現れたわけなんですよ。
「よっす!」
ってね。
元気いっぱいの桜子さん…
学校では、めっちゃおとなしいお嬢様系なのに…
オレの前じゃ、ジャージに眼鏡、一本縛りですよ。
まぁ、こんな桜子もかわいいのですがね。
「あー、元気ですね。昨日のデートがさぞかしうまくいったんですね?」
オレのその言葉に桜子は、
「うん!めっちゃ上手にクレープ食べられた‼︎大成功だったよ。ありがとう!」
と、お礼を言われましたよ。
…
そこ?
…てかさ、オレはもっと別の事が気になって仕方ありません。
その…キス…したのかな…とかさ。
…
気になるけど…でも、そんなこと聞けるわけないよね…。
手は…繋いだとか聞いてもいいかな…?
「桜子は…デートで手…繋いだりしたの…かな?あ、そりゃ繋ぐよね。だってすでに手絡めあったんだっけ?告白された日にね。うん、そうだった。ハハ…」
なんて、ひとりでめっちゃベラベラ喋っちゃったよね。
聞いたら…まずかったかな。ひとのデートで、手繋いだとか…聞くのは、やっぱり…キモいって言われるかな…と、一人反省会が開催されつつありました。
そんな開催を一瞬で終わらせた桜子の一言
「え、手なんか繋がないよ。それに告白された日に手を握り合ったってのは、握手だから。これからよろしくの」
と、あっさり言ってきたじゃないですか‼︎
あー、握手か…
オレはてっきりおてて絡めて見つめ
と、少し桜子の言葉を聞いて安心したのでありました。
てか、デートで手繋がなかったんだ?
ならば…当然キスは、してないよね‼︎
ね‼︎
手からはじまるんだよね⁉︎
そうだよね⁉︎
手繋いである程度距離が縮まってからキスってするんだよね⁇
ね?ね⁉︎ね⁇
って、聞きたいけど…あんまり聞きすぎるのも…ね。
てなわけで、それ以上は詮索致しませんでしたとも。
今回は、なんとか進展していない様子だったけど…
これからオレの知らないうちに…どんどん進展していくんだろうなぁ…。
「オレも彼女つくろうかなー…」
このぼやきに桜子がめっちゃくいついてきた。
「えっ⁉︎彼女⁇そんなの絶対だめ‼︎」
って、オレの目をまっすぐみていう桜子。
⁉︎
え?
ダメって…
それって…桜子…もしかして…実は…オレのこと…?
す、好きなんじゃ⁉︎
「え、桜子…もしかして…」
「うん、もしかしてだよ‼︎彼女できたらこの部屋に自由に出入り出来なくなるからね。絶対彼女なんて出来ては、ならないです‼︎てか、彼女なんかできないよ。だって、わたし…遼に彼女できないように、念力送ってるから」
なんてこわいこと言い出すんですよ…。
「それって…どうなのよ?」
「どうもこうもなくない?」
と、あっさり返された…
そんなにオレの部屋が心地いいんだ?
てか、それは冴木くん的に嫌なんじゃないのかな…
「たぶん…冴木くんは、彼女が他の男の部屋いたら嫌がるんじゃない?」
と、教えてあげた。
そしたら、桜子は
「あ、なら冴木くんもこの部屋に入り浸ればよくない?」
なんて、またしても自由すぎる発言…
「あのー…なんかそれって…どうよ?」
「ん?みんなでいればこわくない‼︎てきなね?」
って言ったんよ。
「え、冴木くんになんかされた⁉︎コワイってどういうこと⁉︎」
と、詰め寄った。
すると桜子は、
「おとこは…オオカミになるとか聞いたことある…冴木くんは、オオカミっぽくないけど…でも…これから万が一調べ忘れてオオカミになるかもしれないし…そもそも歴代の彼氏がオオカミになりかけて…いつもそれで…そのあと別れてるっていうか…離れていくから…」
と、俯いた。
⁉︎
歴代の彼氏…オオカミになったん…⁉︎
調べ忘れるとは⁇
どういうことー⁇
てか、コワイならなんで毎回桜子は…告白をオーケーするのでしょうかね?
…
続く。
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