第12話:悪魔を呼び出す呪文。

「それよか、どこか遊びに行きませんか?」

「俺たちカップルになってまだどこにも遊びに行ってないですし・・・」


「いいけど・・・じゃ〜どこにする?」


「そうですね、ディズニーランドとか・・・シーでもいいシー」


「くだらねえ」


「あのですね・・・おっさんってディズニーランドのことなんでデズニーランド

っていうのかな・・・ああしか言えないんでしょうか?」

「あと、CD(シーディー)のこともシーデーって言うし、DVD「ディーブイディー」のこともデーブイデーって言うでしょ?」

「そっちのほうが言いにくいし、めっちゃ気になるんですよね」


「どうでもいいわ、そんなこと」

「おっさんなんて半分以上人間終わってるから直そうなんて思わないんだよ」


「そうですね・・・どうでもいいですね・・・あ、じゃ〜土曜日、ディズニーで」

「でさ、俺、まだスッキリしてないことあんですけど・・・」


「なんだよ」


「あぼ、蓮華ちゃん時々、なにかこうブツブツ言ってる時ありますよね」

「あれ、なんて言ってるんですか?」


「あれか?・・・あれ悪魔を呼ぶ出す呪文」

「うそ〜」


「我は汝サタンを喚び出す。

闇の聖なる名と偉大なる力によって、汝よ、直ちに遅れることなく我が身に

害を与えることもなく純粋な姿で我がもとへと現れよ。

我は汝に命ずる、その全てに応えるために千の形を持つ月の庇護のもとに我と

契約を結ばん」


「って言ってるんだよ」

「まだ道具が全部そろってないから、今喚び出すのは無理だけどな・・・

そのうち喚び出そうかと思って・・・」


「なに言ってるんですか?悪魔なんて・・・」

「悪魔なんか喚び出してなにするんですか?エッチですか?悪魔とエッチ?」


「あ〜それもいいかもな」


「ダメですよ、そんなの、絶対!!」

「俺たちだってまだエッチの練習しかしてないんですから・・・しかも真似事、

二度も中途半端で終わってるでしょ?」


「だって、あんなグロくてキモいもん見せられたら冷めるだろ?」


「仮にも愛しい彼氏の大事なモノをグロいとかキモいとか言わないでくださいよ」


「おまえは、ちっちゃい時から自分のモノを見慣れてるからキモいとか思わな

いんだよ」


「まあそうですけど・・・」

「だけど、悪魔のだって俺のよりグロくてキモいに決まってますよ」


「あ〜だな・・・それ想像したら吐きそう」

「悪魔を喚び出して闇の世界のことをいろいろ教えてもらおうと思ってたん

だけど・・・じゃ〜悪魔喚びだすのやめるわ」


「蓮華ちゃん、まじでオカルト変態女ですね」

「分かってましたけど、でもびっくりだわ・・・まじで」

「二度と悪魔なんて呼び出さないてくださいよ」

「そんなことしたら俺たちや学校だけじゃなく世界までヤバくなりますから」


「分かってるよ・・・喚び出したりしないよ」


「お願いしますよ・・・」

「とりあえず、まあそれは横に置いといて実は俺考えたんです俺、いい方法」


「なにいい方法って・・・一平の考えるいいことなんて・・・100年かかっても

特許取れないと思うけど・・・まあいいわ・・・言ってみ?」


「先輩は仰向けに寝てるからダメなんですよ・・・だから俺の核ミサイルを

見ちゃうんです・・・だからうつ伏せになればいいんです、後背位ってやつ?・・・

先輩が四つんばいになってさ・・・俺が後ろからってのどうでしょう?」

「あ、やべ想像しちゃったよ・・・めっちゃエロ」

「蓮華ちゃん・・・エロいです」


「アホか・・・私がエロいんじゃなくて、おまえの頭の中がエロいんだよ」

「ひとりでエロくなってろ!!」

「でも、それって一平のフランクフルトが見えないってだけじゃん」

「間接的にでも、グロいのが私のお尻に触れるんだろ?」

「おえ〜やっぱりダメ・・・却下」


「慣れてくれないと、いつまで経ってもエッチなんかできないですって

エッチしないカップルなんかありえないし・・・」

「つうか、今日から家に帰って一緒に風呂に入りゃいんじゃないですか?

そしたら毎日、俺の核ミサイルを見るでしょ?そしたら慣れるんじゃない

んですかね?」


「なに言ってんの、バカか・・・一緒に風呂に入るなんで、うちの親も一平

んちの親も許すわけないだろ?」


「こっそり入ってもダメでしょうか?・・・」


「すぐ見つかるわ」


蓮華は一度、自分のおっぱいも大事なところも拓に見られてるから、一平に

対しては恥ずかしいって気持ちは今更なかったから、親がいなかったら一平

と一緒に風呂に入ってたかもね。


しかも蓮華は一平のモノをグロいキモいと言ってながら一平とのエッチの真似事

自体は嫌いじゃなかった。

一平とくっつくってことが心地よかったし、いけないことをしてるって背徳的な

行為もクセになりつつあった。


蓮華に限ってかもしれないが人って他人には知られたくないような隠微な行為

に魅力を覚えるものらしい。


つづく。

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