第13話:蓮華の家になにしに来たんだか?

「つうかさ・・・ヤリたいんです・・・もう前でも後ろでもいいから」

「蓮華ちゃんとヤリたいんです・・・まじエッチじゃなくてもいいから・・・

「我慢できないんです・・・今まで、蓮華ちゃんとのことずっと我慢して来たぶん

我慢できないんです・・・・真似事もさせてもらえないって言うなら、とにかく

俺は蓮華ちゃんを抱きたいんです・・・」


「とりあえずでいいからハグさせてください?」


「おまえが悪魔みたいだな一平」

「そんなに?・・・そんなに私を抱きたい?」


「はい、そんなに・・・」


「だけど、今ここじゃマズいだろ?」


「それは分かってます・・・俺もそこまでバカじゃないですから、学校で

そんなラブラブしてたら、ぜったい先公にチクるやつがいて教育的指導

受けますから・・・」


「本当のこと言うと、今も抱きたい、抱きしめたいんです」

「けど、我慢してるんです」


「すごいな一平・・・圧がすごいわ」

「じゃ〜家に帰ったら私の家に来い・・・今夜も親父もお袋も留守だから」

「思う存分ハグさせてやるから」


「俺、自分ちに帰ったら即、先輩んちに行きますから」


「だけどハグどまりだからな・・・エッチの練習はなし」


「じゃ〜チューまではいいですよね?・・・」


「ハグだけ・・・」


「えっちゃんちのたこ焼きにプラスソフトクリーム〜」


「しゃ〜ね〜な・・・じゃ〜チューも許す」


で、学校が終わって一平と蓮華はいつものようにラブラブで普通に家に

帰って行った。


「ただいま〜母ちゃん」


「あ、お帰り、一平」


「俺、蓮華ちゃんちに行ってるから・・・・」


「一平、最近よく蓮華ちゃんちに行くね・・・あんたたち、まさか?」


「うん、俺たち付き合ってる・・・」


晩ご飯の支度をしていた一平の母ちゃん、それを聞いて皿を三枚ほど床に

落として割った。


「蓮華ちゃん、お邪魔します〜」


勝手知ったる蓮華の家・・・一平はずけずけ、家に上がって蓮華の母親に

挨拶だけしておいて蓮華の部屋に行った。


「つうか恋人同士なのにキスを許すとか許さないとかって、おかしくない

ですか?」

「普通はチューなんて日常的にするもんでしょ?」


「この間、おまえとキスしたら、めっちゃ臭かったからな・・・」

「おまえ、私とキスする前の晩、焼肉食っただろ・・・ニンニク臭かったわ」


「あ〜焼肉食いました・・・」

「けど俺たちのコミュニケーションに焼肉は関係ないですし・・・」

「恋人同士の恋愛の大半はハグもチューも含めてエッチにかかって来るん

だから・・・プラトニックだけじゃ愛は育たないのだ、って誰かが言ってました」


「誰が言ったんだよ、そんなこと」


「偉い人が言ったんですよ、知りませんけど」


「エッチなんて子供作る時だけすればいいだろ?」


「なに、言ってんですか?・・・蓮華ちゃんはそんなふうに考えてるんですか?」

「寂しいです・・・」

「子供を作ることは別にして、お互い愛し合うことに喜びを感じましょうよ?」


「抱き合ったりキスしたりエッチしたり・・・ないとつまんないでしょ?」


「それは分かるけど・・・」

「ん〜面倒くさかったから子供作る時だけって言っただけだよ」

「私だって明治時代の女じゃないんだからそのくらい理解してるよ」


「ならいいですけど・・・俺は蓮華ちゃんと結婚したら毎日エッチしてたいし・・・」


「結婚?・・・おまえいつの話してんの?」


「いや〜、そんなに遠くない未来の話です・・・」

「俺は蓮華ちゃんと結婚するって決めてますからね」


「私の気持ちを無視してか?」

「私はまだそんなこと考えてもないし・・・私と一平だってこの先どうなっちゃう

か分かんないし・・・」


「え〜・・・そんなこと言わないでくださいよ、もしかして別れちゃうかも

しれないってニュアンス・・・悲しくなるでしょ?」


「ふん、ヘタレ・・・別れるなんて一言も言ってないし・・・」

「もういいじゃん・・・そんなこと」

「だいたいおまえ、私の家になにしに来たんだよ」

「私を抱きたいから来たんだろう・・・さっさとハグして気持ちよくなったら帰れ」


「ムードもなんにもないですね」


「一平は、そう言う女を好きになったんだよ」

「責めるんなら自分を責めな」


つづく。


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