第3話:臭いフェチでオカルト女。

「実は俺、田乃中さんに別の話があるんですけど・・・」


「え?・・・なに?異世界へ行っちゃうって話はメインじゃないの?」


「違うんです・・・その話はフェイクです」


「フェイク?・・・フェイクって・・・」

「じゃ〜なに?」


「引かないで聞いて欲しいんだけど・・・俺、この前、田乃中さんと会った

時から田乃中さんのことが好きになっちゃったんです」


「だから、よかったら付き合って欲しいと思って?」

「あの、そう言う相談事はダメでしょうか?」


「・・・メインな話ってそれ?」


そうです・・・俺は真剣だから・・・ふざけてないからね」

「めっちゃドキドキして自分の気持ちを告白しようかやめようか散々悩んだんだ」

「でも気持ちを伝えないと、何も手につかなくて・・・・」


「切実だね・・・」

「そんなに思い詰めて・・・私がごめんって言ったらどうするの?」


「それは困るけど・・・ごめんって言われたそこの井戸に身投げする覚悟

です・・・」


「面白いね・・・ごめんって言ってみたくなった」


「冗談ですよ、身投げなんかしないし、エッチしないうちに死にたくないですから」


「あ〜なるほど・・・それは死ねないね」


「あの、それに田乃中さんに早めにツバをつけておかないと他の男子に持って

かれちゃうと困るし・・・」


「ツバをつけるってなにそれ?・・・持ってかれるって人を荷物みたいに・・・」


「それに世の中には巨乳好きたくさんいるし・・・」


「巨乳ね・・・そんなにこれがいいか?」


彼女は自分のおっぱいを持ってゆさゆさ揺らした。


「吉岡、一平・・・おっぱいフェチって言ったよね」


「そ、それは忘れてください」


「いいじゃない・・・私っだって臭いフェチだよ・・・」


「え、そうなんですか?」


「私、いいにおいより臭いにおいのほうが好きなの」

「おやじの加齢臭とか、足の臭いとか、あとお風呂から出て切ったあとの

足の爪の臭いとか・・・」

「あと1日履いた靴下とか・・・あとパンツとか・・・」


「パ、パンツ?・・・え〜、か、変わってるね・・・それって自分が履いたパンツ

の臭いだよね」

「あたり前でしょ、いくら臭いフェチだからってなんでわざわざ他の女のパンツ

臭わなきゃいけないよ」

「自分のに決まってるわ」


「俺も臭いたいな〜田乃中さんのパンツ・・・」


「・・・・一平、まじ変態だね・・・」

「だけど、そう言うのって多かれ少なかれ誰でもあるでしょ?」


「そうですね、僕はガキんちょの頃、母ちゃんのおっぱいばっか触ってるうちに

星人になっちゃったんですけど・・・」


「一平のフェチのルーツはお母さんか・・・」

「あんた、マザコン?」


「一応親離れはしてます」

「あの、それよりすいません・・・話の趣旨がずれるみたいなんですけど・・・?」


「え?・・・なんだっけ?」


「あの、だから俺は田乃中さんに付き合ってくださいって告白してるんですけど」


「ああ、そうだったわね」

「私、オカルト女だけど・・・それでもいいの?一平」


「オカルトやホラーは苦手ですけど、それよりも田乃中さんに対する気持ちの

ほうが大きいですから・・・」


「お〜言っちゃってくれるね」

「そっか・・・私も彼氏がいたのなんていつだったかももう覚えてないわ」


「そんなにおっぱい大きくて可愛いのに?」


「可愛いなんて言われたからって、じゃ〜付き合ってあげるなんて言わないわよ」


「やっぱりダメなんでしょうか?」


「ん〜・・・どうしようかな?・・・一平は私なんかと付き合ってどうしたいの?」


「どうしたいって・・・そんなこと、言えません」


(考えてることがあまりにエロ過ぎて言えるわけないだろ)


「そんなことしたらセクハラになっちゃうし・・・」


「なに?セクハラって?」


「いやいや、そうじゃなくて俺は、俺は田乃中さんと毎日笑ってたい・・・

楽しいことして美味いもの食って・・・一緒に遊びに行ってとにかく笑って

たいんだ・・・」


「ふ〜ん・・・私のおっぱいモミモミしながら・・・?」


「そ、そんなこと言ってないだろ!!」


「ムキになっちゃって・・・・でも一平の気持ち拾ってあげたい気になって

きたかな」


「え?うそ?・・・拾ってください、公園に捨てられてるワンコとかニャンコ

みたいに・・・」


「あはは、面白いね・・・一平って思ったことみんなクチに出しちゃうタイプ

だよね・・・バカ正直って言うか・・・ウソつけないタイプかな?」

「そう言うおバカなところ私好きかも・・・だから一平のこと嫌いじゃないよ」


「え?それって?・・・つまり?」


「つまり、そういう意味かな・・・なら付き合っちゃう?」


つづく。



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