第2話:田乃中 蓮華へのアプローチ。

田乃中 蓮華たのなか れんげを見てからの俺は妄想の中にいた。

おっぱいを揺らせながら笑顔で駆け寄って来る蓮華の姿が眩しく輝いていた。

ボ〜ッと講義なんか受けてる場合じゃなかった。


でも、またいきなりオカルト研究会の部室を訪ねても田乃中さんと話すきっかけ

がない。

そこで、やっぱり異世界へ行ってエロキャラのサキュバスちゃんを連れて帰る

方法を教えてもらうって名目で田乃中さんにアプローチしようかと・・。


田乃中さんと話すきっかけさえあったらそれでいいんだ。

田乃中さんが、もしその答えを引き出せなくても俺にとっては別にいいわけで。

目的は田乃中さんをゲットすることにあるんだから。


で、俺はドキドキしながらオカルト研究会の部室を訪ねた。

でも、部屋には野郎がふたりほどいただけで肝心の田乃中さんがいないじゃ

ないか。


ひとりの部員に田乃中さんの居所を聞いてみたら、オカルト彼女はこの大学の

敷地の隅っこにある古い井戸を調べてに行ってるって話だった。


おえ〜あの井戸か・・・まじ貞子が出てきそうな井戸。

やっぱりオカルト変態女子だ。


その古い井戸のことは俺も知っている。

昔、番町皿屋敷って話があるけど、この大学の敷地の隅っこにある古井戸も、

昔その話まんまの出来事があった井戸だって聞いたことがある。

その横には小さい祠があって井戸で亡くなった女を弔ってるって話だ。


だから壊すことも移動することもできないまま放置してあるんだって。

祟りがあったら怖いからね。


あ〜あ・・・よりによって・・・俺は幽霊とかホラーは苦手なんだよな。

だけど、田乃中さんには会いたいし・・・彼女と話すのは部室よりは誰も

寄り付かない井戸のほうが絶対いいに決まってる。

絶好のチャンス。


そこで俺は訳あり井戸のある場所に向かった。


「あ、いたいた」


田乃中さんはこっちにお尻を向けて座っていた。

丸くて綺麗な形の可愛い尻。


俺はいきなり声をかけて彼女を驚ろかせるといけないと思って、大股で

歩いて行ってわざと咳払いなんかしながら近づいた。

彼女が俺に気づいてくれるほうがいい。

案の定、彼女は俺に気がつくと振り向いて立ち上がると少し井戸から離れた。


「誰?・・・・あ〜この間の人?」

「なに?また私に用?」


「あのさ・・・相談に乗って欲しいことがあるんですけど・・・」


「相談?・・・私に?」


彼女はいぶかしげに俺を見た。


「私で分かることならいいけど・・・」


「その〜・・・バカな相談だって思わないで聞いてほしんだけど」


「言って・・・そしたらバカな相談かどうか私が決めるから」


「え〜と・・・たとえば、ファンタジーとかに出てくる異世界?」

「そんなところに行って用事を済ませてまた帰ってくるなんてことできたり

するものなのかな?」

「本当にバカな相談でごめん」


「そうね・・・できなくもないけど・・・」


「うそ・・・まじで?・・・それまじで言ってる?」


「あんたも・・・あ〜あんた名前は?」


「俺「吉岡 一平よしおか いっぺい」って言います・・・

「で・・・いっぺいのいちは数字のいちで・・・へいは、たいらって文字です

え〜と・・・あ、22歳で、アブノーマルでおっぱい星人だし、お尻星人だし・・・

あ、違います・・今のは聞き流してください」


「ぷ〜っ・・・吉岡 一平さん?・・・あなた変な人」

「アブノーマルでおっぱい星人ってなに?・・・変態でおっぱい大好きってこと?」


「だからそれは・・・」


「それより・・・なんだっけ?え〜と異世界へ行って帰って来れるかって話だよね」


「一応・・・」


「私も基本的な知識だけで一度も試したことないけど・・・」

「吉岡くん?・・・試してみる?」


「試すってそんなことまじでやるんですか?」


「一番簡単な方法ね、やり方は5cm四方の紙に3角と逆3角を合わせた図形の中に

「飽きた」って文字を書くの・・・それを寝る前に枕の下に置くか手に持って寝る

と異世界に行けるって・・・どこに出るかは分かんないけど」


「ちょ、ちょっと怖いな、どこに出ちゃうか分かんないって・・・」

「あの、それはもういいです・・・実は本当はそっちはどうでもいいんです、

すいません」


「なに?」


「実は俺、田乃中さんに別の話があるんですけど・・・」


「え?・・・なに?異世界へ行っちゃうってのはメインじゃないの?」


「違うんです・・・その話はフェイクです」


「フェイク?・・・フェイクってなに?」


つづく。



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