第3話 狂宴

 その夜、青藍はなかなか寝付けなかった。


 原因はただ一つ、昼間酒呑童子の部屋で見た光景だ。


 酒呑童子に呼ばれて部屋に入ったら、桔梗と行為の真っ最中だった。


 全裸の桔梗をよつん這いにさせて、後ろから酒呑童子が突き上げていた。


 桔梗の穴に出し入れされる陰茎がぬらぬらと光っていた。


 男と女の行為は知っていたけれど、実際に目にするのは初めてだった。

  

(あれは絶対にわざとだ! 見せつける為に俺を呼んだに決まってる! 旦那様は目のやり場に困ってる俺を笑って見てたもんな)


 酒呑童子から話を聞いた青藍は逃げるように部屋を飛び出すと蘇芳の部屋に行き、今度の京行きの手伝いをする事を伝えた。


 そして青藍自身も今回から京行きに参加させて貰える事を告げた。


 京へ金品や女を強奪に行くのは、里の中で屈強の男と認められた者だけだ。


 成功の褒美として攫ってきた女を抱く権利を与えられる。


 それを経てようやくこの里で一人前の鬼として認められるのだ。


『お前も男になるって事だな』


 今度は蘇芳にそう言ってからかわれた。


 青藍にとっては嬉しいような、嬉しくないような複雑な気分だった。


 青藍は瑠璃の事が好きだったから、最初の相手は瑠璃がいいと思っていた。


 だが瑠璃はずっと蘇芳しか見ていないし、そもそも青藍では瑠璃の妖力が強すぎてまともに対面出来ない。  


 まだ瑠璃が青藍を拒否しないから近づけるけど、そうでなかったら隣に並ぶことすら難しくなる。


(蘇芳様は良いな。瑠璃様に好かれていて…。さっさと引っ付いてくれたらいいのに。そうしたら俺も諦めがつくのにな。…あ、不味い)


 瑠璃の事を考えていたせいか、昼間の光景も相まって青藍の股間が熱を帯びてきた。


 このままではますます寝られなくなる。


(仕方がない、手で抜くか)


 青藍は昼間の桔梗の裸体と瑠璃の顔を思い浮かべながら、陰茎を擦りだした。



 ******



 そして数日後の夜、鬼の姿になった蘇芳達は下見をしてきた貴族の館に押し入った。


「鬼が出た!」

 

と、逃げ惑う人々の中を暴れ回り、金品を奪い、女達を攫って来るのは爽快だった。


 今回攫ってきた女達は四人。


 酒宴の席に連れて来ると、どの娘も恐怖からか皆がたがたと震えていた。


 だが、人の姿になった酒呑童子と蘇芳を目にした途端、その美しさと放たれる妖力に魅せられ従順にさせられた。


 女達は我先にと酒呑童子と蘇芳の横に陣取り酌を始める。


 その後、酒呑童子に言われるまま人の姿になった青藍達にも酒を注いでまわった。


 青藍は酒を飲むのも今日が初めてだった。


 一口含んだだけで喉が焼けたようにかあっと熱くなる。

 

「何だ何だ! 一気にいかないか!」 


 ちびちびと飲んでいたら、他の鬼にぐいっと酒を流し込まれた。


「ゴホッ! ゴホッ」


 酒にむせて咳き込む青藍を周りの鬼達がケラケラと笑う。


 酒宴もたけなわになってきた頃、酒呑童子の目がキラリと光ると、女達は一斉に着物を脱いだ。


 酒呑童子はその中の一人を呼び寄せると、既にそそり立った陰茎の上に座らせる。


 女の股の間にズブズブと陰茎が入り込んでいく。


 青藍がふと蘇芳に目をやると酒を飲みながら女に陰茎をしゃぶらせている。


(瑠璃が見たら嫉妬で怒り狂いそうだな)


 他の女達も別の鬼達の相手を始めたようで、あちこちで女の嬌声が響き渡る。


 得も言われぬ痴態に青藍の陰茎も熱を帯びてきた。


 すぐ横で女に腰を打ち付けていた紫紺が、女から陰茎を抜くと青藍を振り返る。


「ほら、お前の番だぞ」


 女の穴の入口がひくひくと動いて白濁がたらりと垂れてきた。


 青藍は酒を飲み干すと着物を脱ぎ捨てて、陰茎を女の穴にあてがった。


 ちゅくっという音と共に陰茎が穴に吸い込まれる。


(ああ、凄く気持ちがいい)


 何度か出し入れするうちに、女は青藍の陰茎をきゅうっと締め付けてくる。


「くっ!」


 あまりの快感に青藍は狂ったように腰を打ち付けた。


 あっという間に絶頂に達し、穴の奥に白濁を注いだ。


 そのまま、青藍が腰をゆるゆると動かすと徐々に硬さを取り戻してくる。


 青藍はふと思いたつと女をよつん這いにさせて後ろから貫いた。


 女のよがり声が更に青藍の腰の動きを加速させる。


 青藍が夢中で腰を振っていると、我慢出来なくなったらしい紫紺が、女の口に陰茎を突っ込んだ。

 

(…あれも気持ち良さそうだ…)


 青藍と紫紺に攻められて、女の穴は更に青藍の陰茎を締め付ける。


 こうして鬼達の狂宴の夜は更けていった。

 

 


 

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